Broadwayのライブハウス巡り

ナッシュビルに到着してダウンタウンに近いホテルにチェックインした後、さっそくライブハウスや土産物屋が並ぶブロードウエイBroadwayに行ってみる。ほぼ2ブロックの両側に小さなライブハウスが並んでいる。だいたいどの店も入り口のすぐ脇にステージがあって、昼頃から深夜まで3つか4つのバンドが登場する。こうした店からメジャーになっていったミュージシャンがたくさんいるそうだ。

お酒を売るので21歳以下は立ち入り禁止(親と同伴ならOK)。若く見える客は身分証明書の提示を求められる。ちょっと入って立ち見で1曲2曲演奏を聴いてみて、気に入らなければ出てきてしまって全然OK。気に入ったら席に着いて、ビールでも注文してじっくり聞き込めばいい、というシステム。

摂氏40度、脳ミソがとろけそうな熱波の中の観光だったので、冷房の効いたライブハウスにふらっと入って涼めるのは本当に助かった。ソフトドリンクが2ドル、ビールは4ドルか4.5ドル。バーカウンターの上に口の広い大きなビンがおいてあって「チップ歓迎!」とか書いてある。「私たちはチップで生活しています」と大書してある店もあった。

このチップはビールを運んでくれるお姉さんたち用。他に、演奏の合間にバンドのメンバーがやはりチップ入れのビンを抱えてテーブルをまわってくる。見ていると、たいていの客が1ドル2ドルをビンに入れている。この時に曲をリクエストできるので「主人の誕生日なので、この曲をお願い」とかリクエストをした人で5ドル10ドル札が出てくることも。演奏中はこの”チップ瓶”がステージ脇においてあるので、途中で店を出て行く人が瓶にチップを入れていくことも。そんなときはヴォーカルが一瞬歌を止めて「Thank You!、See you later(また来てね)」と声をかけていた。

ナッシュビルにいる間じゅう、時間があるとこのBroadwayに出かけて、どこかのライブハウスに入っていた。アルコールは強くないのに、水代わりにライトビールをずいぶん飲んだ。バドライト、クアーズライト、コロナライトなどなど。一度ローカルのビールはある?と聞いたら出てきたビールがとてもコクがあっておいしかったんだけど、名前を忘れた...

この一角で一番有名な店はTootsies(トッティーズ)。いつも混んでいて、夜は立ち見が当然のような店。特に週末の夜は店の前にロープを張って入場規制をしていた。ジョニー・キャッシュクリス・クリストファーソンを見つけて世に送り出した店ということになっている。今年の秋、店の50周年コンサートを大きなコンサートホールで予定していて「クリス・クリストファーソンとその仲間たち」が出演するそうだ。

TootsiesのとなりのLegend Corner(伝説の角)に行ったときは、ドラムとヴォーカルが女性というバンドがとてもノリの良い演奏をしていた。40がらまりの女性客が5,6人入ってきて演奏を聴きながら踊り出し、他の客から大歓声。なかで一番ノリの良かった、黒いサンドレスにウエスタンブーツ姿の二人は、そばにあった椅子を持ち上げ頭の上に振りかざして踊り続け、店中が大盛り上がり。 まだ日の高い午後4時頃だったと思うけど...

ナッシュビルといっても、ハンク・ウイリアムスとかウイリー・ネルソンみたいな正統派カントリーをやっているワケではなくて、むしろロックに近い。ときどきフィドル(バイオリン)やバンジョーが入ったブルーグラス・バンドも見かけたが、ほとんどはドラムとギター、ベースで構成された普通のロックバンドと変わらない、でもちょっとカントリーっぽい、という感じの音楽だった。特に金曜日の夜10時過ぎ頃からは地元の若者たちが繰り出してくるのだろう、どの店も大音響のロックバンドで若者たちが踊っていた。