Hair Cuttery アメリカで髪を切る

この1週間、早朝は10度くらいまで気温が下がって肌寒い日が続いていたのが、急に暑くなって今日は夏日。伸びきってうざったくなっていた髪を切りに行きました。

アメリカの美容院選びは難しいとよく聞きます。私はこちらに来て最初は、住んでいるアパートの1階にバーバーショップがあって、知り合いになった日本人女性が、あそこで切ってもらうのよ、と言っていたので、主人が行くときに一緒にいって切ってもらった。もともとショートカットなので、あまり難しい注文をつける必要もなく、すっきりばっさり切ってもらって、OKでした。

でも、その後にアメリカ人の女性の友人に、あのバーバーショップで切ったの、と言うと、誰もが「えッ?」という顔をする。やっぱりバーバーショップは男性のもので、女性のいくところじゃないというのが共通認識らしかった。

で、次に行き始めたのがHair Cutteryというチェーンの”カット専門店”とでもいうかな。このチェーン店は1970年代に二人の美容師がワシントン郊外に最初の店を開き、その後東海岸を中心に今では800店舗を越える全米最大の店舗数を誇る成功したビジネス。

一般に伝統的な”ヘアサロン”は予約をしていくところで値段は高め、何となく敷居が高いイメージ。このHair Cutteryは、予約不要、年中無休、カットだけなら16ドル、という敷居が低くて分かりやすくてお財布に優しいビジネスモデル。いわゆるユニセックスで男性でも女性でもOK。

Hair Stylistと呼ばれる美容師さんは大半がアジア系、中南米系、アフリカ系など移民してきた女性たちだ。私は最初の何回か毎回違うHair Stylistにお世話になった後で、ベトナムから移住して14年というキムを指名するようになった。彼女は、今日は短くさっぱり切って、とか、今日はあまり短くしないでとか、注文をつけると、だいたいイメージどおりプラスアルファの仕上がりが期待できる。そのセンスの良さで、指名してくる客が絶えない。

Hair Cutteryは、どの店で誰に切ってもらってもカット16ドル。シャンプーもパーマも、カラリングも美容院のやることはなんでもしてくれるが、私はひたすらカットのみ。いくたびに「シャンプーは?」と聞かれるが、シャンプーしてもらっても意味がないのです。というのは、このHair Cutteryに限らず、アメリカの美容院、バーバーショップとも、カットした細かい髪の毛を洗い流すとか払い落とすとか手間をかけることはしない。なので、カットしてもらった後は、家にまっすぐ帰ってバスルームに直行。自分でシャンプーして細かい髪の毛を洗い流す必要がある。

カットのみの注文だと、原則としてブローもしない。まあ、肩や首筋に張り付いた細かい髪の毛を吹き飛ばすためにドライヤーを使うのでついでに軽くブローはしてくれるが、日本の美容院みたいにしっかりブローしてもらうには別料金5ドル。友人に、別料金だと言われて「じゃ自分でやるからドライヤー貸して」といって自分で仕上げたという強者がいるけど、それもOKらしい。私はショートカットなので多少濡れていても気にならない。真冬は帽子をかぶって帰ってくる。

さて、カット16ドル。この価格がなんというか考え抜かれている気がする。たいてい20ドル札を出して支払うことになるが、アメリカの美容院はチップが要る。チップは3ドル払えば充分なのだが、何となく20ドルだしてチップ3ドル分を含めて「おつりを1ドルちょうだい」というのもセコイような気がして、仕上がりがよほど気に入らない時でない限り「Keep the change」とお釣り全額をチップとして渡すようになってしまった。

日本の美容院みたいに丁寧ではないですが、運良くカットの上手なキムと出会えたし、せいぜい20分程度の短時間で済ませてくれるし、チップ込み20ドル(2000円)のHair Cutteryは、とても気軽で気に入っています。今日の注文は”very short and thin” 思いっきり短く、軽く梳いてもらいました。髪を梳くことはmake it thin, 梳きバサミはthinnerと呼ぶそうです。

そうそうチップと言えば、バーバーショップで目撃したことですが、イケメンの若い男性が散髪を終えて支払いをして(バーバーショップは確か14ドルだった)お釣りをしっかりもらったあとに、とびっきりの笑顔を作って「Thank You!!」とはっきりした声で担当の若い女性理容師に笑いかけ、そのまま出て行ってしまったのを見ました。

そうか、若くてイケメンだと、とびっきりの笑顔がチップになるんだ!といたく感心しました。もちろん、私にはできない芸当だけど、一度やってみたい...