Library of Congressアメリカ議会図書館

せっかくワシントンにいるので毎週水曜日は「ワシントン見物の日」にしています。今日はLibrary of Congress=アメリカ議会図書館に行ってきました。日本で言うと国立国会図書館にあたるところです。
先日とあるパーティーで議会図書館に勤めているという女性に会い、私のキャリアなど話をしているうちに「ぜひ議会図書館に行ってみるべきよ」と強く進められたのがきっかけ。議会図書館は建物が3つに分かれていて、なかでもトマス・ジェファーソン館は建物を見るだけでも行く価値があるし、ガイドツアーに参加するといいと聞いていました。
ネットで調べて10時30分に始まるガイドツアーに間に合うように行ってみると、もう見学者が大勢いてツアーがスタートしていました。ちょっと太めの豪快な年配女性がガイドで、イタリア・ルネッサンス様式に作られたドームのある豪華な建物の見どころをジョークを交えた説明で回っていきます。図書館の本来の目的であるレファレンスルームは、ドーム上部のガラス張りの見学者コースから見下ろすようになっていて、静かに調べごとをしている人たちの邪魔はしないようになっています。
書籍・草稿などなど所蔵している著作物は1億4000万点近く。世界470の言葉で書かれた資料があるそうです(世界に言葉が470もあることだけでもぴっくりです)。所蔵物の半数近くがアメリカ以外の国の刊行物だとか。世界中の刊行物を集めていて、しかも永久所蔵を決めているのはアメリカ議会図書館だけ。British Library(英国国立図書館)ですら世界中の刊行物の永久所蔵は止めてしまっているとか。
約一時間のガイドツアーのあとLibrary Shopがあったので行ってみると「I can't live without books」というジェファーソンの有名な言葉を印刷したTシャツとか(議会図書館の設立はアメリカ第2代大統領ジェファーソンの発案だとか)なかなか魅力的なグッズがたくさんありました(ワシントンはこうしたミュージアム・ショップ巡りだけでもかなり楽しい)。
ガイドツアーはもちろん英語ですが、分かりやすい説明なので、ある程度英語が聞ける人にはぜひお勧め。ドーム型の建物や階段などあちこちに「知」に関する格言、彫刻や絵画などが飾られていて、特に本好きには「聖地」のような雰囲気があります。
ジェファーソン館の見学のあと、議会図書館で調べごとをするための登録手続きに、隣にあるジョン・アダムス館に行きました。写真付きの身分証明書があればハイスクール以上の年齢なら誰でも登録OKなので、パスポートを出すと、コンピュータがたくさん並んだブースへ案内され、そこで自分の名前や住所、電話番号、利用したい分野などを入力して送信すると、次に登録証発行のブースに呼ばれ、書類を確認されて写真を撮られサインをすると、めでたく写真付きの登録証が完成。すいていたので10分くらいで登録証を手に入れました。これで私もLibrary of Congressが所蔵する資料を利用することができる訳です。
ちなみにネットでLibrary of Congressが所有する日本の資料について調べてみると、江戸時代以前の日本の書物だけで5500点、世界二次対戦時期の資料が30万点などなど。17世紀に作られた源氏物語の所蔵もあるそうです。
議会図書館ですから本来の目的は上院・下院議員の問い合わせに資料を提供すること。私が知り合いになった女性も、現在は議員のリクエストをうけて資料を提供するセクションにいると言っていました。アメリカの立法のために使う資料を所蔵する図書館が、実質的に世界中のあらゆる人に公開されている。もしかすると日本では一般人はアクセスできない資料がこちらでは簡単に調べられるかも。こうしたパブリックサービスが徹底しているところはアメリカの最もいいところだと思います。
さてさて、Library of Congressで、何を調べよう...

興味のある方はこちらへ↓
http://www.loc.gov/index.html