ナッシュビルおまけ:Oh deer! 鹿と衝突!!

8月7日、朝8時にナッシュビルを出て家路へ。テネシー州を東西に貫く高速道路1-40をおよそ2時間くらい走ったあたり、周囲は森林。土曜日の朝で行楽に出かけるクルマでけっこう混んでいた。
ふと気づくと、前方の森から若い鹿が姿を現した。

「そこで止まってて!お願い!」と心の中で叫んだ。動物は多分、驚くと本能的に立ち止まったり後ずさるより前方に逃げようとするのだと思う。一瞬ひるんだように見えた若鹿は、次の瞬間、道路に向かってジャンプ。ウチのクルマの真正面に飛び出した。

動物が飛び込んできても、避けようとしてはいけない。周囲のクルマにぶつかったり、より深刻な事故を起こす危険が大きいからと、かつて誰かに教えられたことが頭をよぎる。

ガシャンという音と衝撃。ハンドルを握りしめてクルマが左右にぶれないようにするのが精一杯。幸い、周囲のクルマにぶつかることもなく走り続けられたので、20マイルくらい先のレストエリアまでとにかく走った。

クルマを停めて確認すると、ラジエターから冷却液が漏れていて、エンジンはオーバーヒート状態。左のヘッドライトが壊れて、少しだがボディーも傷ついていた。まだ家まで7〜8時間はある。とても走り続けられる状態ではない。

ロードサービスに連絡してレッカー車を手配してもらい、待つこと1時間30分。 一番近くのKnoxvilleという町のVolvoショップまで40マイル。すでに土曜日の午後で、修理部門は月曜日の朝まで開かないという。仕方なくクルマを預けて、レンタカーを借りられるところを聴く。

道路の向かい側にレンタカー屋があるよと教えてもらい、行ってみると、これまた土曜の午後は休み! 再びVolvoショップに戻って他のレンタカー会社を聞く。スタッフの一人で年配の男性がとても親切に対応してくれて、自らいくつか電話して当たってくれた。結局、空港にしか土曜の午後も開いているところはなく、配車はしてくれないという。仕方なくタクシーを手配してもらって(タクシー到着まで20分)、空港へ行き、ようやくレンタカーを借りる。アメリカ中にクルマが溢れているのに、レンタカー1台借りるのに、こんなに苦労するなんて!!

初めて乗るフォードのフュージョンを借りだし、再びVolvoに戻って、ウチのクルマに満載だった荷物をレンタカーに移し替え、ようやく家に向かって走り出せたのが午後5時過ぎ。そこから約400マイル先の我が家まで7時間。結局、家に着いたのは午前2時すぎでした。

人身事故にならずに良かったですけど、まだまだこの先、クルマの修理だの保険会社との交渉だの、さらに、修理が終わったクルマを引き取りに、もう一度テネシー州ノックスビルまで往復800マイルのドライブをせざるをえません。

英語で「おやまあ」みたいな意味で“Oh, dear!"と言いますけど“ディア"違いで“Oh, deer!"な経験でした。
とにかく、今は、やれやれです。