アイスランド火山噴火 パリで待機中です

Mac5102010-04-17

次はワシントンからと前回書きましたが、まだパリにいます。ニュースでご存じのとおりアイスランドの火山爆発の余波で、ヨーロッパの空は大混乱。昨日からすでに二日続けてヨーロッパ主要都市の空の便は全滅。911同時多発テロの時に次ぐ混乱だと伝えられています。

私は、パリ時間で金曜日の昼過ぎのフライトでワシントンに戻るのが当初の予定でした。前夜、夕食から帰ってテレビをつけたら、ヨーロッパの空が大騒ぎ。詳しい情報を得ようと、あちこちのサイトを確認しましたが情報が混乱していて分からない。乗る予定だった便が、ユナイテッド航空とルフトハンザの共同運航便で、ユナイテッド(UA)ではCancelledと出るが、ルフトハンザで見るとCancelになっていない。パリのドゴール空港が閉鎖されているという情報もあれば、フライト情報に定刻と出るサイトもある。

とにかく、予定どおり空港に行こうと決めてその夜は休む。翌日朝6時に起きて荷物をまとめチェックアウトして空港へ。ホテルのオーナー、フランソワも、飛ばないことが分かっていてもとにかく空港へ行くのが良い。予約があって空港に来た客は航空会社の責任になるので、何とかするはず。宿泊の必要があったら戻ってくれば何とかしてあげるよ、とアドバイスしてくれた。

空港に着いたのが8時半頃。まず言われたのが、ドゴール空港を発着するすべての便が夕方までキャンセルになっているとのこと。私のチケットはルフトハンザで発券されたものだが、乗る便はUAの運行。UAのカウンターは待たずに話が出来たので問い合わせると、UAなら一番早いワシントン便は来週火曜日だが、このチケットはルフトハンザの担当なのでそっちで相談するのがいい、と言ってくれる。

たくさんの便を飛ばしているルフトハンザのカウンターはすでに40〜50人の列。元のチケットの内容を確認して最も早い振替便を探して発券して説明して...という対応にひと組につき15分から20分はかかっていて、対応しているスタッフは4人か5人。時間が経つにつれて行列は長くなる。同じような光景がすべての航空会社のカウンターの前に出来ている。苛立ってスタッフに詰め寄る人も出てくる。

多分ルフトハンザはそれでも対応が良かったのだろう。並んでいる人の用件をざっと確認し、ヨーロッパ域内の簡単な振替は別のカウンターに案内したり、小さな子供を抱えた母親をゆっくり待てる列に誘導したりと、行列をさばくスタッフが定期的に回ってくる。お水のペットボトルとチョコレートも配られた。

列に並ぶこと2時間半。ようやく私たちの番になり、結局3日後、来週月曜日のパリ・ワシントン便に振替が出来た。別のブースに案内されたが、足止めされている3日間のホテルの手配もしてくれた。

朝6時に起きて、何とかワシントンまで帰れる見通しが立ったのが12時半頃。その頃には振替チケットを求める行列は、私が並び始めた頃の3倍近くに伸びていた。早起きして早く行列に並んだお陰で月曜日の便が確保できたのは、きっとラッキーだったのだと思う。すぐ近くにフランクフルト経由で日本に帰るチケットを持っていた日本からの旅行者がいましたが、彼女たちは火曜日の便になったそうです。

それにしても、火山の煙でヨーロッパ全体がこんな大混乱になってしまうなんて。イギリス・フランスに始まって、北欧もリトアニアなどバルト三国も、ポーランドスロバキアなど東欧の国々まで空港閉鎖。今日のヨーロッパは、ギリシャやスペインなど南欧しか機能していなかったようです。一日で17000便がキャンセルになって、その乗客たち全員に何らかの振替を用意しなければならない航空会社のスタッフも大変です。

ルフトハンザが用意してくれたホテルは、空港からバスで20分ほど走った田園地帯にポツンとあるNovotel。パリ市内に出るにはバスに乗って鉄道の駅まで行って、鉄道と地下鉄を乗り継いで... 東京の基準で言えば、せいぜい川崎あたりのホテルに案内されたのだと思いますが、パリだと何ともド田舎に感じられる。でも、フランスの田舎家ふうの住宅が連なる郊外の風景や、草原にそよぐたくさんのタンポポなど、パリではお目にかかれない風景も見ることができて、思いがけない天災・災難も、割り切ってしまえば、それなりに楽しい。

どう焦ったところで、来週になるまで身動きとれないので、できることして楽しもうと思います。