iPadで変わったこと:新聞の読み方

iPadがやってきて1週間。生活のいくつかのシーンが劇的に変わりました。まず変わったのが新聞を読む習慣。ニュースはiPadで読むものになりました。

これまでは、朝起きるとテレビをつけていたのが、今週は、ほとんどテレビを見ないで、朝はまずiPadを起動し、どれかメディアのアプリを開く。私は、なんとなくニューヨークタイムスを開く。

iPhoneをお使いの方は分かると思いますが、iPadではパソコンのウエブサイトではなく、それぞれのメディアが専用アプリを用意していて、それをダウンロードして使います。

ウチのiPadは(半分以上は主人に占有されているせいで)、New York Times、USA today、Wall Street Journal、Washington Post、ABC、(通信社の)AP、BloombergBBC news, (フランスの)Le Monde, Paris Match, France24, (雑誌の)TIME、それと産経新聞のアイコンが「ニュース」用に設定した画面に並んでいます。アプリをダウンロードすること自体は、いくつかの例外を除いて、ほぼ無料。

Washington Postや産経新聞は、iPhone用のアプリのままでiPad専用ではないので、まだ使いにくい。でも充分役に立つ。

メディア各社とも、ニュースをウエブサイトやiPhoneiPadでどう見せるか読ませるか、さらには、お金を取るか取らないか、試行錯誤の真っ最中の感じです。


見せ方では、私はニューヨークタイムス(YNT)が良くできていると思います。まずトップニュースを網羅するNews画面のサマリーが開き、見出しと写真、それぞれ10行ぐらいの記事が表示される。2ページ目に行くには横スクロール。スクロールの反応の仕方もメディアによって(というかアプリによって)まちまちで、NYTは違和感なく使える。
ビジネス、テクノロジーなどのセクションの切り替えボタンが画面の下に表示される。各セクションともサマリーのページに見出し&写真&リード記事のセットで2ページ分、記事の数で10くらい。見出し部分を指で叩くと、その記事全体の表示に切り替わって全文が読める。(写真は本日のNYTテクノロジーセクション)

私は、まず各セクションのサマリーを見出しと写真で確認しながら全体を把握してから、興味のある記事を選んで読んでいく。毎朝、コーヒーを入れるお湯を沸かす時間に、サマリーをざっと見回して、興味のある記事の1本目ぐらいまでは読んでいる。さらにコーヒーを淹れながら、読み続ける。

だいたいどのメディアも、サマリーあるいはコンテンツ画面があって、記事の詳細に入るのは同じですが、USA Todayはページ切り替えが横スクロールではなく縦にスクロール。スクロールの反応がNYTより敏感で、1ページ分だけ送りたいのに、一番下までいってしまうことが多い。Wall Street Journalも横にスクロールするタイプだが、こちらは反応が逆に鈍いかな。

それから、広告は入ります。セクションの切り替えや記事画面へ移動する間に広告が表示されることが多い。

NYTは電子版を有料化することを検討中と伝えられていますが今のところ無料。USA Todayも無料。Wall Street Journalは最新バージョンの主な記事は読めますが、記事の詳細を見ようとすると「この先は購読してください」と表示されるものが多い。購読は1週分3ドル99セント。1ヶ月16〜20ドル程度ですね。

フランスのLe Mondeは、アプリを99セントで購入した上で、常に過去30日分の新聞が「買える」。1日分を買うには79ユーロ・約100円。月単位の購読は15ユーロ・1800円くらい。割と納得できる値段だと思う。もちろんフランス語版ですけど。

大ブーイングなのが雑誌TIMEで、4ドル99セントの値段で売られているアプリが、アプリだけの値段なのか、購読するための値段なのか何の説明もなかった。IPad発売と合わせて、iPadスティーブ・ジョブスApple CEO)の大特集をアピールしていて、当初はアプリのベストセラーリストに載っていた。ウチも買ってみました。アプリストアで売っているのだからアプリの値段だと思いますよね。

結局4ドル99セントは、アプリの値段ではなく、アップル特集のTIME一冊分の値段だった。来週号はまた4ドル99セントで売るらしい。だったら、アプリストアではなくiBooksで売ればいいのに。で、大ブーイングです。「You’re finished」(もう終わったね!)なんて書き込みをされている。

ニュースサイトの有料化はとてもビミョーな問題で、広くニュースを知ってもらうためには無料でも多くの人の目に触れたほうがいい。でも質の高いニュースを届け続けるには、相応のお金がかかる。どうなっていくか気にかかるところですが、iPadは新聞・雑誌を読むには最高の道具なので、普及次第で急激な変化が起きるかもしれない。どちらにしても、もう紙の新聞にも、ごちゃごちゃしたブラウザ版にも戻れない気がする。

そうそう(友人から質問が届いたので)補足ですが、電池の持ちはすごくいいです。フル充電で10時間使えるとアップルは言っていますがウソではないと思う。1時間くらい電源からはずして使っても電池残量が90%を割ることはあまりない。

それと、WiFiアクセスがすごく遅くなることがあると初回に書きましたが、それはルーターを再起動することで解消しました。基本的に画面切り替え、表示、ネットアクセス、どれもサクサクで、使い心地は快適です。

いろんな人が書いている使用レポートを読むと、発売前は懐疑的だった人たちの評価もおしなべて高いようで、アメリカ以外での発売が待たれるところですよね。

明日から1週間、パリに行きます。いろいろ迷った末、iPadはおいていくことにしました。未発売の国で何かあってもApple Storeが対応してくれないだろうし、私のiPadはまだMacBookの代わりに必要な作業が出来るほどは鍛えていないので。

というわけで、次回は多分パリからお届けします。Au revoir