Presidents’ Day、Winter Olympics

アメリカは2月15日(月)は、President’s Dayの祝日です。初代大統領ワシントンと16代大統領リンカーンがどちらも2月中旬に生まれたので、2月の第三月曜日を「大統領の日」と決めて祝日としとか。

このところ週末になると雪に振り込められていたのですが、先週末は天気が良さそうだったので、土曜日に朝からスキーに行きました。行き先は、ワシントンからクルマで90分ほどのペンシルベニア州リバティ・マウンテンというスキー場。コロラドやユタなどの広大なスキー場に比べると、いたって小さなスキー場ですが、なにしろ首都から90分と近い。同じように、今日は天気がいいからスキーに行こうと思い立てば行ける距離にスキー場がいくつかありますがリバティは一番近い。しかも標高が割に高いので雪質がいい。

これまで数回、日帰りのスキーに行きましたが、週末に行ったのは初めて。込んでいるだろうなと覚悟はしつつ、リフトの動き始める8時半を目指して6時起床、7時出発。8時15分到着。さすが土曜日。駐車場に入るクルマで道路が少しだけすでに渋滞していた。それでも朝一番はリフト待ちなし、4人乗りのクワッドリフトに二人で乗っても大丈夫。先週の半ばにすごく軽いパウダースノーが降ったのでゲレンデは絶好調。

しばらくするとさすがに込んできて、リフトが乗り合いになる。乗り合いになると、だいたい「どこから来たの?」が糸口で話が始まる。インストラクタやパトロールのウエアを着た人たちと一緒になることが何度かあって、いろいろ情報を仕入れた。

「2月13日(土)は、リバティにとって特別な日なんだ」と話し出した年配のインストラクタ。もう35年もボランティアでスキーを教えているという。私たちが滑っていた上級者コースではないが、初心者コースにオバマファミリーが来ているよ、と教えてくれた。「ミセス・オバマと子供たちは見かけたけど大統領はいなかった、上空はヘリコプターが舞っているし、セキュリティスタッフが多くて、ものものしいけどね」とか。私たちは、言われなければ、ぜんぜん気づかなかった。11時頃になって休憩しにメインゲレンデに行ってみたけど、もう帰ってしまったあとなのか、気配もなかった。

昼近くになるとさらに込んできた。リフトで一緒になった中年女性のインストラクタは、このプレジデントデイの週末はスキー場が一年で最も混むのだと教えてくれた。朝一番で来たと言うと「それが正解。遅くなるなると、ふもとの高校のグラウンドを駐車場にしてシャトルバスで客を運ぶこともあるし、さらに込むと、せっかく来ても追い返さなきゃならないこともあるの」とか。この週末はインストラクタもパトロールも総出で来場者に対応するのだそうだ。どうりで朝一番はやけにイントラとパトロールのウエアを着た人が多かったわけだ。

スキーリフトで乗り合わせた人たちとお喋りは、楽しい。以前に夏休みにニュージーランドにスキーに行ったこともあるのですが(季節が逆だからね)、アメリカでもニュージーランドでも、みんな気軽に話しかけてくる。そして日本から来たというと、日本で仕事をしていたことがある、とか、日本人の友人がいるとか、日本のことを良く知っている人が意外に多いことに驚く。

先日のリバティーでは、ノースカロライナから7時間かけてやってきたという男性が、日本に友達がたくさんいるよと話してくれた。彼はおばあちゃんがニューヨークで留学生向けの寄宿舎をやっていて(ある日本の財閥系大企業の名前を出して)そこから派遣されてくる留学生を引き受けているんだ。今でも毎年クリスマスカードをやりとりしている友人がいるよ、と言っていた。他にも、息子が2年間日本で仕事をしていたので、自分たちも3ヶ月くらい日本を旅行したわよ、と言っていた初老のご夫婦と一緒になったこともある。

バンクーバーオリンピックが始まりましたね。日本の名前を持つ外国の選手が冬のオリンピックでは活躍しますよね。開会式前の予告番組でフィギュアのMirai Nagasuのインタビューを見ました。Miraiは、英語では「みらい」ではなく「マイレィ」みたいな撥音になる。カリフォルニアで育ったごく普通の高校生の話し方だった。

アメリカ選手で今回最も注目されているのは、メダル候補なのに直前に怪我をして出場が危ぶまれている女子アルペンリンゼイ・ボンですが、同じくらい注目されているのが、ショートトラックのApolo Ohno。あとひとつメダルを取れば冬期オリンピックの最多メダル数を更新する。彼の試合の中継には観客席で見守る日本生まれのお父様の様子がよく映し出される。土曜日のレースで、前にいた韓国選手が二人ゴール直前で転倒してOhnoが銀メダルになった試合は、彼の名前をもじって「Oh, No!, Oh, Yes!!」という大見出しで伝えられた。

今日のスノーボードではグラハム・ワタナベという選手が上位で予選を通過していて、決勝が楽しみ。また、フィギュアのペアでロシア代表のカワグチ選手のことをアメリカのテレビは「普通だったらロシアに帰化したい人なんてめったにいませんが、日本ではペアの伝統はないから仕方ないですね」みたいな紹介をしていた。

オリンピック放送はNBC系列の4つくらいのチャンネルでやっていますが、だいたいがアメリカ人とメダル候補くらいしか放送してくれない。女子モーグルは予選はアメリカ選手だけ、決勝は上位10人くらいは放送しましたが、男子モーグルの中継は日本人はひとりも映らなかった。まあ残念ですけど、面白いのは上位選手の活躍だから、インターナショナルな気持ちで楽しみましょう。

オリンピック放送で流れるCMで、とても気に入っているP&Gの作品があるので、ご紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=VSn5Z7EC4ME

ところで、ワシントンは、また雪が降っています。本当にバンクーバーに分けてあげたい。