Hope for Haiti / Generation M

日本でもMTVで放送されたというハイチ救済チャリティー番組Hope for Haiti、ごらんになりました? こちらでは全ネット局で同時放送され2時間CMなし、すごい顔ぶれの番組になりました。

出てきて話をした人:主催者のジョージ・クルーニーを始め、ビル・クリントンレオナルド・ディカプリオヒル・ベリー、ニコール・キッドマンクリント・イーストウッドマット・デイモン、ディンゼル・ワシントン、トム・ハンクスブラッド・ピットジュリア・ロバーツ他。

出てきて歌った人:アリシア・キーズ ブルース・スプリングスティーン、コールドプレイ、スティービー・ワンダークリスティーナ・アギレラジョン・レジェンド、メアリー・J. ブライジ、テイラー・スイフト、スティング、ビヨンセ シェリル・クロウ。マドンナ、ジャスティン・ティンバーレイクジェニファー・ハドソンシャキーラU2、ジェイ・Z、リアーナ他。

マイクの前には立たず電話で寄付を受けるためだけにスタジオに集まっていた人のごく一部(一瞬しかカメラが写さないので判別できた人だけ)メグ・ライアンジェニファー・アニストンスティーブン・スピルバーグ、シガニー・ウイーバー、エレン、ジャック・ニコルソンメル・ギブソンリンゴ・スターなどなど。

地震からわすか10日で、これだけのビッグネームを同じ時間に集めて、ハイチの現地、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンの同時中継を実現してしまう機動力がすごいと感心しながら見ていました。中継は主にMTVとCNNが担当、一番大きな会場だったロサンゼルスはCBSのスタジオだったそうです。番組はMTVのサイトで見られるし、iTune Storeで演奏をダウンロードできるようです。

◆Generation M
さて、ここからが本題です。Kaiser Family Foundationという財団が5年ごとに行っている8歳から18歳の若者を対象にした”メディアとの接し方”の最新調査レポートが発表されて、ちょっと話題になっています。この8歳から18歳の若者たちは「Generation M」つまりM世代と呼ばれていて、Mは、mobile, multimedia, multitasking, multichannelなどの意味が込められている。

全米2000人以上を対象に行われた最新Generation Mレポートによると、この世代の若者たちは1日平均7時間38分(週に53時間)を何らかのメディアと接して暮らしている。実際には複数のメディアを同時に使っている時間が3割以上なので、メディアと接している延べ時間は1日10時間45分という。これは、5年前の調査の6時間21分、延べ8時間33分に比べて大幅なアップ。というわけで話題になっているレポートから概要を拾ってみました。

この5年で、携帯電話を所有するM世代が39%から66%に、iPodなど音楽プレーヤーの所有割合が18%から76%に増えた。最近の携帯電話が多機能になっているために、携帯電話で話をする時間(33分)より、携帯で音楽を聴いたりゲームをしたりテレビを見たりする時間(49分)の方が長い。

親にテレビやゲームの時間を制限されていると答えた若者は3割ほど。しかし、親が制限をしている家庭の子供たちは、制限をされていない子供に比べて延べ3時間もメディアに関わっている時間が少ない。

ほぼ3分の2にあたる64%が、食事の時間もテレビがついていると答え、誰も見ていなくても家ではテレビがつけっぱなしになっていると答えた割合は45%に上る。71%の子供が自室にテレビを持ち、半数の50%が自室にビデオゲームを持っていると答えた。

◆テレビの見方が大きく変わった
2009年の調査では初めて、番組をリアルタイムでテレビで視聴する時間が減少した(5年前に比べて25分の減少)。しかし、テレビを見る方法が多様化したために、実際には番組を視聴する時間は5年前の3時間51分から4時間29分へ増えている。コンピュータで24分、iPodで16分、携帯電話で15分がテレビ以外で番組を見る視聴時間。また、ライブで番組を視聴する割合は59%(2時間39分)で、残り41%はビデオ録画、オンライン、携帯電話などで見られている。

オンラインにかける時間も多い。ソーシャルネットワーキングに22分、ゲームに17分、YouTubeなどのビデオサイトに15分。中学・高校生(13歳〜18歳)の74%がソーシャルネットワークサイトにアカウントを持っている。

映画と印刷メディアを除くすべてのメディアで、M世代がかける時間は増えている。音楽にかける時間は47分増え、テレビは38分、コンピュータに27分、ビデオゲームに24分、それぞれ多くの時間を費やしている。最も多くの時間を費やしているのは依然としてテレビで、一日に4時間29分がテレビにかける時間。次に多いのが音楽で2時間31分、コンピュータが1時間29分、ゲームが1時間13分、印刷メディアが38分、映画が25分という内訳だ。

複数のメディアを同時に操るマルチタスクが増えたことも大きな特徴だ。約4割の中高校生が、同時に複数のメディアを使うことが多いと答え、音楽を聴きながら別のメディアを使う割合は43%、コンピュータでは40%、テレビを見ながら別のメディアを使う割合も39%となっている。

印刷メディアでは、読書にかける時間は一日に25分で過去の調査とほとんど変わらないが、雑誌を読む時間は14分から9分へ、新聞を読む時間は6分から3分へと減少した。新聞を読む習慣がある若者は10年前の42%から23%へと激減。ただ、彼らは1日あたり2分はオンラインで雑誌や新聞を読むことに費やしている。

男女別では、この世代の女性はネットワーキングサイトに25分(男性は19分)、音楽に2時間33分(男性は2時間06分)、読書に43分(男性は33分)と、男性より多くの時間を費やす。一方男性は、ビデオゲームに56分(女性は14分)、コンピュータゲームに25分(女性8分)、YouTubeなどのビデオサイトに17分(女性12分)が女性より多くの時間をかけている。

子供たちは11歳〜14歳になるとメディアに費やす時間が格段に増える。8〜10歳では延べ時間で7時間51分だが、11歳〜14歳になると延べ11時間53分をメディアに触れて過ごしている。

そんなわけで、このM世代があと10年もすれば大人になって社会を動かす原動力になる。5年前の調査ではメディアと接している時間が週当たり41時間で「フルタイムの仕事を持っているのとほぼ同じ」という解説がついていたのですが、今回の結果は週53時間。言ってみれば「ワーカホーリックの日本のビジネスマン並み」でしょうか。

メディアに時間を多く使っている子供ほど学校の成績は悪く、自分に対する満足度も低いという傾向が見られるそうです。親がテレビやゲームに関わる時間をコントロールするのは、大切なことのようです。

でも自分を考えると、寝ている時間以外はほぼすべての時間が、何らかのメディアに関わって生活しているよなあ。つまり1日16時間くらいはテレビ×パソコン×新聞or雑誌or書籍×音楽... 何のメディアとも関わっていない時間は本当に寝ている時間とお風呂に入っている時間だけかも。子供たちは、まだ恵まれているということですかね。

調査レポートは下記サイトでダウンロードできます
http://www.kff.org/entmedia/mh012010pkg.cfm