シェナンドー国立公園ハイキング

Mac5102009-10-12

ご無沙汰しました。
9月末から10月上旬にかけて10日ほど日本に帰って、ちょっと仕事&人間ドック&墓参り&報告会あれこれをこなしてワシントンに戻ったら、すっかり秋が深まっていました。

日本は体育の日の3連休ですが、アメリカはコロンバスデーで同じく3連休。穏やかな秋の天気に恵まれた今日は、バージニア州西部、アパラチア山脈の一部をなすShenandoah National Parkに行ってきました。シェナンドー国立公園は、山脈の尾根にそってSkyline Driveと呼ばれる景色のいいドライブ道が100マイルに渡って続き、その両側に展望台、キャンプグラウンド、ピクニックサイト、ハイキングコースと、クルマを停めて遊んだりスポーツできるポイントが100カ所近くもある。特に秋の紅葉の季節は美しい。

我が家のあるアーリントンからはクルマで1時間ちょっと。入り口で入場料を払ってスカイラインドライブへ。入場料はクルマ1台15ドル。レシートがあれば7日間出入り自由。我が家は奮発して30ドルの年間チケットを買った。来年10月まで有効と刻印されたプラスチックカードを受け取る。これで今後1年間、何回でも遊びに来られる。実は、Shenandoahへ来たのは2度目。9月の中旬に下見がてら来てみたのだが、その時はあまり時間がなかったのと天気が悪かったので、資料を集め、ドライブ道を30マイルくらい走っただけ。本格的に遊びに来たのは今回が初めてだ。

今日は、夢のアパラチアン・トレイルの一部をハイキングの予定。前回来たときに買ったハイキングの解説本から、景色のいいルートを選んできた。Skyline Driveの中間地点近く、Bearfence Mountainと呼ばれるルートは、ガレ場があるので難易度ちょっと高めだが1.2マイルと短く、足慣らしにはぴったりと選んだルート。ちなみに”Hiking Shenandoah”の本には、ハイキングルートが50も載っていて、それぞれ距離、難易度、高低差、混み具合など詳しい情報とルートの道順・見どころ、注意が丁寧に解説されている。

ドライブ道わきの駐車場にクルマを停めて、スニーカーからトレッキングシューズに履き替え(岩が多いのでトレッキングシューズがお奨めと解説にあった)出発。林の中の緩やかな上り坂。ところどころに白い筋雲が見えるが、ほぼ快晴。気温は15度くらい。長袖のTシャツの上にネルシャツを羽織って歩くのがちょうどいい。

ハイキングの解説書によると、このコースの混み具合は「中程度〜混雑」分類。「混雑」の定義は「途中で5組くらいのグループと出会う程度」とあるーーゲッ、それは、東京から数時間以内のハイキングコースでは「空いている」と分類されるものだ。

紅葉のハイシーズンで3連休の中日、しかも好天とあって、さすがに途中で会ったグループは軽く5組を超えていた。でも、日本だったら今日あたり日光いろは坂は全面渋滞だよね。それに比べたら、何と空いていることか。

歩き始めてすぐ、まずひと組。中年男性のグループとすれ違う。なかの一人は案内係のレンジャーだったようで「今日の景色はまだ全開ではないけれど、なかなかいいよ。Enjoy your hike!」と声をかけられた。

しばらく上っていくと、今度は上から東洋人ファミリーが降りてきた。最初はお互い「Hello」と声をかけあったが「日本の方ですか?」と聞かれる。聞くとピッツバーグから昨日5時間かけてやってきて1泊し、今朝からハイキングだとか。5歳くらいの男の子が「大きな岩を一人で登ったの、怖かった!」と話してくれる。

彼らと別れてさらに登っていく。岩の多い地面は歩きにくいが、勾配はきつくない。途中、ルートから少しそれた岩場に絶景ポイントを見つけて岩を登ってみる。と、ここで主人が「アッ、まずい」と声をあげる。見ると年季の入った主人のトレッキングシューズのソールがはがれかけている。

彼のシューズは、多分これまで10年以上、スキー場の行き帰りの雪道を歩くのに、夏のスキー場ゲレンデハイキングに、志賀・万座・草津・白根などなどの山々を歩いてきた。経年変化だろうが、ソールと靴をつないでいるゴムがもろもろに崩れかけていた。持っていたロープで靴とソールを縛って応急処置をし、ガレ場を避けて平坦な道を選んで残りのルートを何とか制覇。でも、駐車場に戻る直前には完全にソールがはがれてしまった。

本当はあと1カ所2カ所、景色の良さそうなルートを歩きたかったが、今日はもうハイキングは無理ということで、早めに切り上げる。残りのSkyline Driveをドライブして、帰りは田園地帯をぬけるルートを走り、道端でハロウイーン用のかぼちゃを売っている秋色いっぱいの田園風景を満喫した。

家の近くまで帰ってきて最後は、アウトドアショップに立ち寄り、主人にトレッキングシューズを新調して本日終了。憧れのアパラチアン・トレイルを歩いたのはわずか1マイル足らずでした。

※アパラチアン・トレイル:Appalachian Trail:アメリカ北東部をアパラチア山脈に沿って南北3500キロに渡って続く長距離自然遊歩道。全部歩くと半年かかるとか。トレイルは14州にまたがって伸びているが、ヴァージニア州の部分が最長。シェナンドーのハイキングルートのほとんどはアパラチアン・トレイルの一部を含んでいる。