マイケル・ジャクソン追悼セレモニーの視聴率

7月7日、日本では七夕。アメリカではマイケル・ジャクソンの追悼セレモニーで一日もちきりでした。ロサンゼルス時間の午前10時、東部時間では午後1時から行われたセレモニーは、18ものネット局がコマーシャル抜きで生中継する一大イベント。私は残念ながら外出していたのでリアルタイムでは見られませんでしたが、夜のニュースもほぼマイケル一色。通常番組の時間も特番にして、セレモニーの様子を何度も何度も放送していました。

日本では放送がなかったみたいですが、イギリス、カナダ、オーストラリアなど英語圏の国はもちろん、ニュースで確認できただけでもドイツ、フランス、イタリア、ロシア、メキシコ、香港、中国、レバノンなどと、世界中で生中継され、大スクリーンでのパブリックビューイングをした国も多かったみたいです。なぜ日本で放送がなかったのか不思議ですよね。マイケル・ジャクソンは日本が大好きだったし、ファンは少なくないと思うのに。これだけ多くの国で放映されているのだから著作権料が高かったとも思えないし...。言葉の壁?

登場してトリビュートソングを歌ったり話をした人はたくさんいますが(報道されていると思うので省きますが)、ブルック・シールズの涙ながらのスピーチが感動的でした。ともに子供の頃からマスコミにさらされて、自由な子供時代を過ごせなかった二人が、一緒に遊んだりいたずらした思い出を語りながら、こんなことを言っていました。ごく一部ですが、

"Both of us needed to be adults very early. But when we were together we were two little kids having fun.
"We never collaborated together, we never performed together or danced on the same stage - although he did try in vain one night to unsuccessfully teach me the moonwalk and just shook his head at my attempts. We never filmed a video or recorded a song, but what we did do was laugh. It was always a competition to see who could make the other one laugh more or be sillier.
"Michael loved to laugh. His heart would burst out of him when he laughed. He loved it when I did silly imitations or told him stories. MJ's laugh was the sweetest and purest laugh of anyone I ever knew."

拙訳:私たちは二人とも早い時期に大人にならざるをえなかったけど、二人でいるときは楽しく遊ぶ小さな子供でいられた。一緒に仕事をしたことはなかったし、一緒に何かを演じたことも、同じステージで踊ったこともなくーーただ私にムーンウォークを教えようとして私が出来ないのでマイケルが首を振って諦めたことはあったけどーー、一緒に映画を撮ったことも歌を歌ったこともなかった。二人で一緒にしたことは、ただ笑うことだった。二人はいつもどちらがよけいに相手を笑わせたりバカなことができるか、競争していた。マイケルは笑うのが好きだった。笑っているときは自分をさらけ出していた。くだらない物真似をしたりバカな話をする私を楽しんでくれた。MJの笑顔は、私が知る誰の笑顔よりスィートでピュアだった。


さて、火曜日の真っ昼間に行われた追悼セレモニーの視聴率が発表になっています。リアルタイムで視聴した人の数は全米で3110万人。アメリカの人口は約3億人ですから10人に1人の割合ですね。

今年1月のオバマ大統領就任式(この日は祝日だった)が3800万人、12年前のダイアナ妃の葬儀中継が(土曜日の午前中で)3320万人だったそうですから、記録的とは言えませんが、平日の昼間ということを考えると、相当な数字であることが分かります。

平日の昼間で、私と同様にテレビは見られない環境にいた人はたくさんいたはずで、そういう人たちが殺到したと思われるのが、インターネット上で映像をオンエアしたサイト。これをPCまたは携帯電話で見た人の数というのも、一部発表されています。

例えば、MSNBCのサイトへのアクセスは1900万で同サイトのアクセス記録を更新したそうです。CNNが1050万、ABCが600万。動画を流したサイトの数は他にもたくさんあり、アクセス数を発表していないところも多いので、全体数は不明です。

なおCNNは、Facebookと協同で動画配信をしたそうですが、夕方5時までに視聴した人数が(ダブリを省いた数字で)1180万人を数えたという数字も発表されています。またTwitterマイケル・ジャクソン関連の“つぶやき”が殺到してシャットダウンすることもあったとか。

日本で放送がなくても、これらのサイトへ行けば見られたわけで、ま、テレビを頼らなくてもいい状況ではあったわけですね。

※視聴率等のデータは、Nielsen, AdvertisingAge, The Huffington Postの記事から拾っています。