JEERS AND CHEERS  嘲笑と喝采と

経済に詳しいわけではないですが、最近のニュースは経済と銃乱射事件ばかり。今日の経済ネタをいくつか拾ってみます。

JEERS & CHEERS
「嘲笑と喝采と」というタイトルで今日のWEBメディアHUFFINGTON POSTのトップを飾っているのが、元ナスダック会長バーナード・マードフの巨額詐欺事件の裁判の記事。
なにしろナスダック会長まで務めた知名度を利用して運用益10%以上を謳った投資に投資家から総額640億ドル(6兆4000億円)もの資金を集めながら、実際には投資などせずチェース・マンハッタン銀行のマードフ氏の個人口座に資金を集めて豪華に暮らし、資金の回収を求める投資家にはその口座から引き出して支払っていたーー早い話が「ネズミ講」ですね(英語ではPonzi Schemeと言います)。

これだけ巨額のネズミ講ですから騙されて資金を出したのは個人投資家だけではなくて、金融機関、運用益で運営する諸団体・企業にも被害がおよんでいて、しかもアメリカ国内だけではない。もちろん日本も、らしい。

マードフ氏、11の罪に問われていて、今日の裁判では本人が有罪を認めたら傍聴席が拍手に包まれたそうです。全部が有罪になれば懲役150年の計算。現在70歳ですが。
投資家が出した資金が戻るワケでなく闇へ消えたようなもの。それでも、ウォール街の闇がひとつ掃除された。


Uh-Oh Elmo!
子供向けテレビ番組「セサミ・ストリート」で有名なNPOセサミ・ワークショップが約20%のリストラを発表した。不況の影響? エルモもビッグバードもびっくり!
「セサミ・ワークショップ」は355人いるスタッフのうち68人をレイオフするのだそうな。この非営利組織の財源は、番組「セサミ・ストリート」コンテンツの売上げキャラクターを使ったおもちゃや教材などの売上げと、政府・財団などから出資される資金。
「世界中の子供たちの可能性を最大限に引き出すことを使命とする」という理念の実現に先進するための必要な措置だとか。


Venice Beach
いわゆるサブプライムローンで住宅を買い、(つまり次第に返済金が高くなる返済モデルなので)返済が滞り、差し押さえられた住宅の件数は2008年に233万件だそうです。全米の住宅の54軒に1軒だとか。

住むところがなくなってしまった人たちが沢山いるはずで、みんなどうしているのだろうと思っていたのですが、最近少しずつ実情がニュースで紹介されるようになりました。
テント村が出来ている町がありました。今日見たのは、ウエストコーストの雰囲気を象徴するような町ヴェニス・ビーチとサンタモニカが、家を失ってクルマで暮らす人たちのモーターホーム(キャンピングカー)でいっぱいになっている光景。高額所得者の豪邸が建ち並ぶ一帯なので、その対比は「天と地」のよう。

逆に、差し押さえられた住宅の競売の様子もニュースで見ました。数年前には5000万(円)した住宅が1000万以下で落札され、いつか家を持ちたいと狭いアパートに暮らしながら、ずっと貯金を続けてきたというヒスパニックの家族が引っ越していく様子をカメラが追っていました。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、ボストンなどの都市で教育程度の高い高級住宅地で売りに出されている家は、中国からやってくるお金持ちの「アメリカ住宅購入ツアー」に人気だそうです。

最後に、今週はダウが値上がりを続けています。緊急対策の効果が現れたのかシティバンクバンクオブアメリカが今年に入ってから黒字に転じたこと、GMが政府資金援助なしで3月を乗り切れる見通しがでてきたこと、GE、ファイザーなどにプラス材料が発表されたことなど良いニュースが伝えられて、先週は底なしに見えたマーケットが反発して一息。これで底を打ったことになれば、誰にとってうれしいことなのですが。