Christmas Tree Sitter

Mac5102008-12-21

クリスマスまで1週間を切って、クリスマスムードいっぱいのアメリカです。
ご近所のイベットから、クリスマス休暇でご主人の実家に行っている間のクリスマスツリーの世話を頼まれました。まあ、Christmas Tree Sitterですね。
この際なので、少しアメリカのChristmas Tree事情をレポートしてみます。

アメリカには約1億1000万世帯の家庭があります。統計によると(どんな統計だ?)約3分の2の世帯がクリスマスツリーを飾る。生木のツリーを使う世帯が28%、人造ツリーが35%、37%がツリーは飾らない、という内訳です。
毎年、約3000万本(!)の生木のクリスマスツリーが販売される。最も一般的なのは7.5フィート(228センチ)のもみの木。普通の家の天井にほぼ届きそうな高さ。これが1万円程度(100ドル〜120ドル)の値段で販売されます。

買い方はいろいろ。最も正しい方法とされているのが、郊外のクリスマスツリー農場に行って、ずらりと並んで生えているクリスマスツリーから好みの木を選び「自分で」ノコギリで切って持ち帰るというもの(ツリーはだいたい8年から10年かけて育てられるのだそうです)。
次に、地元のボーイスカウトが販売するツリーを買うのも正しいツリーの買い方(チャリティーになりますから)。お手軽なのは、園芸店、家庭用品店、スーパー、デパートなどで買うこと。どの店も駐車場の一角に特設コーナーを設けて生木のツリーを売ります。他にも生のリース、ポインセチア、オーナメントに使う松ぼっくりの各種詰め合わせなんていうのも並んでいます。

アメリカでは、11月最終木曜日のサンクスギビングデーが終わるとクリスマスシーズンが始まります。クリスマスツリーは根もとで切って販売されるので、あんまり早く切ってしまうとクリスマス前に枯れてこないとも限らない。また、ツリー販売の過当競争を禁止する目的もあって、全米各地に「Christmas Tree Law」クリスマスツリー法なる法律を定めているところがあります。クリスマスツリーの販売は12月5日以前にしてはならない、という法律。メリーランド州で12月4日にツリーを売った農園が3日間の営業停止になったとか、そんなニュースが流れたりする。

12月の初旬には、屋根に買ったばかりのツリーをロープで留めて走っているクルマをよく見かけました。長さ2メートル以上のツリーが一般的ですから、ワンボックスでも車内には収まらない。車種は忘れてしまいましたが(確かドイツ車だったと思う)クルマのコマーシャルで、クリスマスツリーを積んでいることを忘れて調子にのってスピードを出し、家についたら葉っぱがみんな風で飛んで枝だけになっていた、というストーリーで笑わせてくれるCMがあります。

根もとで切断されたツリーを買ってきたら「たらい」のような専用のツリー台に乗せて倒れないようにしっかり止める(安定の悪いツリーが子供が寄りかかったりして倒れて大騒ぎになるのが、この季節の「面白ビデオ番組」の定番映像です)。
ツリー台の「おけ」の部分には毎日水を入れて木が枯れないように水分を保ってあげる。身の丈2メートル以上、無数の針のような葉っぱがついているツリーは大量の水を吸い上げて呼吸します。木の良い香りが部屋を満たしてリラックスさせてくれるので生木は人気があるのですが、毎日2リットルくらいの水を満たしてあげないと枯れてしまう。この世話が欠かせないワケです。

そんなわけで、ご主人の実家に5日間の親孝行に出かけるイベットに代わって私が、彼女の居間で天井まで届きそうにそびえているご自慢のツリーの世話をすることになりました。彼女のツリーには、オランダ人のお母様の家に代々伝わるというデルフト焼きの繊細なオーナメントがたくさん下がっています。他にも古いものは100年前に作られたものという貴重な細工を施したオーナメントもあって、知り合って半年にもならない私に家のカギを預けて自由に家に出入りしてくれと言ってくれるのは光栄なことだと思い、引き受けました。

冒頭の写真は我が家のツリー。高さ40センチの「Table Top Tree」です。アウトドア用品のL.L.Beanのサイトでメールオーダーしました。リボンやベルの飾りもついた状態で届き、殺風景だった我が家の居間が少しクリスマスらしくなりました。