BOOK SALE

家の窓からアーリントン中央図書館が見えます。先週木曜日の夕方に、図書館の駐車場に入りきれないクルマが周囲をうろうろしていました。この日の午後5時から週末日曜日まで、年に2回行われる図書館のブックセールがスタートしていたのです。本の虫の我が家は、さっそく様子を見に出かけてみました。
初日はFriendship会員限定のブックセール。誰でもその場でFriendship会員になれるというので会費25ドルを払って中に入る。場所は図書館の地下駐車場の1フロア。

図書館のブックセールについては、40年間図書館で働き、現在はリタイヤしてボランティアで図書館の仕事を手伝っているというジェーンから話を聞いていました。ここの図書館には大量の本が寄付されてきます。実際、図書館の一角にあるDonation (寄付)コーナーに、大きな段ボール箱いっぱいの本をおいていく人の姿を何度も目にしました。あるいは紙袋に5冊10冊とか、カバンから読み終わった本を出して置いていく人も。

そうして集まった本は、図書館の棚に並ぶものもありますが、多くは年に2回のブックセールに出されます。ジェーンによると、一般にはオフリミットになっている図書館の裏側では、集まった大量の本を、状態を確認してジャンル分けし、値段をつけて整理していくために常にボランティアスタッフが働いているそうです。そして半年に一度、ブックセールをしてその収益を図書館の運営資金の一部にするのだとか。図書館利用者はブックセールを楽しみにしていて、特に最終日は値段が半額になるので、長蛇の列ができるという話でした。

そんな話を聞いてはいたのですが、最初は気軽に手ぶらで出かけてしまいました。すると初日の会員限定日だったせいもあるのでしょうが、来ている人たちの“気迫"が違いました。みんなカートとかトートバックを持参で、まさしく“本を漁って”います。プロも大勢いるみたいで段ボール箱に何箱も本を入れている人も。若い大学生くらいの女性が二人、目当ての本を見つけて大騒ぎしながら、同じ本が3冊あったのを全部買い占めていきました。(大学の授業で必要な本なのか、誰かに売りつけよう、なんて話をしていました)

あらゆるジャンルの本があるとは聞いていましたが、そのとおりで、私たちは入り口近くのコミュニケーションとかヒストリーとかメディア関係の本のところで、すでに両手にいっぱいの本を持っていました。何しろハードカバーが2ドル、ペーパーバックが1ドルというのが基本的な値段で、初版本とか著者サイン本でも3ドル4ドル。読んでみようかなと思ったら迷わず手にとってしまう値段です。結局、家人と二人で持てるだけの本を抱えて一度家に戻り、トートバックを用意して再挑戦。初日は30冊くらいの本を仕入れました。

見ていると品薄になった棚にはボランティアスタッフ(高校生くらいの若いスタッフが大勢働いていた)がどんどん本を追加しています。ということは、行くたびに違う本に巡り会う可能性があるわけで、結局メディア関係の本を漁っていた家人はその後も2回通って、結局60冊以上の本が我が家に運び込まれた感じです。子供の絵本も大きな面積を占めていて、大量に買い込んでいる若い親たちも大勢いました。本の他にCDやDVDもあって音楽CDは3ドル。CDも5枚くらい仕入れました。

ブックオフ古書店で本を売ったり買ったりするのとはちょっと感覚が違って、本をDonateする人たちは“社会のために”あるいは“コミュニティーのために”。ブックセールで本を買う方は、安く知識を手に入れることができて、しかもその代金は、これまた“社会のために”あるいは“コミュニティーのために”使われる。なかなか気持ちの良い循環ができている感じで、好感が持てました。買って気に入らない本があったら図書館に寄付すれば、やがて誰かの役に立つかも。

私の掘り出し本の一例は、The Good Housekeeping Illustrated CookbookとThe Great American Desert Cookbook。アメリカ料理とお菓子のレシピが網羅されている本をそれぞれ2ドルで手に入れました。この先、役に立ちそうです。