A Hazy Shade of Winter

まだ10月ですが、気がつけばワシントン周辺はすっかり晩秋というか冬のような気候になっています。つい2週間くらい前までは日差しが強くて、涼しい日陰を選んで歩いていたのに、ここ数日、ぬくもりを求めて日だまりを選んで歩いています。 例えば今朝の最低気温は3度。今日の最高気温は13度だそうです。公園をジョギングする人がショートパンツではなくてジャージにトレーナー、手袋という服装になっているし、通勤の人たちは皮のコートや厚いオーバーコートを着ています。

夏のあいだ、こちらの人は日差しが強いのに帽子を被りません。たまに向こうから帽子を被った人が歩いてくると、たいていは日本人の女性でした。 それがここ数日、帽子を被っている人がとても多い。そうか、帽子は防寒着なのだ。帽子だけでなくフードのついたジャケットを着て、すっぽりフードを被って歩いている人も多い。フードは飾りやファッションではなく、実用的な目的があったわけだ。

もうひとつ、秋冬物の服を見に行ったらセーターとかトレーナーの袖が異様に長いものが多く、そういう流行なのかなと思っていたら、ここのところの冷え込みで、その実用的な意味合いを知りました。袖を長く伸ばすと指先まですっぽり覆って手袋代わりになるのです。若者たちがそうやって袖先を長くしてぶらぶらさせながら歩いています。ふーん、納得。 本当に軽いカルチャーショックはまだまだ続いております。

カルチャーショックと言えないかもしれないけれど、料理をなさるみなさん、玉ネギを使うとき外側の茶色い薄皮はどうやって剥きますか?
玉ネギを丸ごと手に持って、まずあの薄皮を剥く。そうですよね。急いでいる時つるんとした玉ネギの肌にくっついて、うまく剥けなくてイライラした経験ありません? 
私は母からも家庭科の授業でもそう教わったし、日本の料理番組ではきれいに薄皮が剥かれた丸ごとの玉ネギが用意されているので、丸のままの状態で薄皮を剥くのが常識になっていると思います。日本の知り合いのお宅では、テレビを見ている子供たちに玉ネギの薄皮を剥かせることにしていました。
こちらの料理番組を見ていると、薄皮がついた状態で玉ネギをざっくり二つに切ってしまう。そうすると薄皮はいとも簡単に剥けてしまうのです。あっという間。この年になって、目からウロコとはこのことだ!くらいのショックというか拍子抜け。
これまでの人生でどれだけ玉ネギの薄皮を剥いただろう。年間に100個くらい?料理をするようになってン十年? 1個に付き30秒、ときにはイライラしながら1分? ずいぶん多くの時間を玉ネギの薄皮と格闘しながら過ごさなかったか? 
このアメリカ的プラグマティズムには大げさですけど脱帽です。

表題のA Hazy Shade of Winterはサイモン&ガーファンクルの曲。邦題は「冬の散歩道」。今日の散歩はこんな気分だったので引っ張ってみました。下記で聞けるみたいです。
http://www.lastfm.jp/music/Simon%2B%2526%2BGarfunkel/_/A+Hazy+Shade+of+Winter