DEBATE2回目:勝負あったかも

大統領候補のディベート2回目が終わりました。今回は「タウンホールミーティング」と呼ばれる形式。1回目は舞台の上に二人の演台があって、質問するのは司会者のみ。観客は拍手をしたり歓声をあげたり、もちろん質問もできないことになっていた。 今回はスタジオのような場所で演台ではなく二人に椅子に用意され、周囲に100人くらいの観客というか一般から選ばれた質問者が座り、司会者は質問者を指名したり、インターネットで届いた質問を読み上げて二人の候補が回答する順番や、議論が白熱したとき進行をさばくのが役割。 二人の候補者は、ハンドマイクを持って質問者のすぐそばまで行って話したり、観客の間に入っていって語りかけたりと「スピーチ」ではない展開を求められる形のディベートでした。

約90分のディベートのうち経済・財政・社会保険・エネルギー・環境など、経済・内政に関する問題に60分くらい割かれ、イラン、アフガニスタンパキスタン、ロシアなど外交・軍事・安全保障は30分足らず。まあ、この1週間の経済危機の進行では当然の時間配分ということでしょうか。

二人の主張は、1回目と基本的に変わるところはなかったのですが、違っていたのが、マケインがオバマへの批判の口調を強めてきたことと、オバマのマケイン批判は「ブッシュの政策が間違っていた。マケイン候補はそれに賛成してきた」と間接的な手法をとったこと。

見ていた印象としては、前回は二人とも演台の前に立って話し、動き回らなかったのに比べ、今回は話しながら動き回っていたので、オバマの若さとマケインの高齢が、かなり際だって見えた。また、これは前回も感じたことですが、マケインの話は、自分の過去の栄光・業績を強調するが、将来のビジョンが語られないこと。逆にオバマは論点の整理をして今必要なのはこれこれとビジョンを語り続けること。この違いが今回はさらに際だった感じでした。

ディベート終了直後に集計されたCNNの視聴者調査の結果が出てきている。
ディベートはどちらが勝ったと思うか:オバマ54%・マケイン30%
・経済の舵取りを任せられるのはどちらか:オバマ59%・マケイン37%
・視点を明確に語ったのはどちらか:オバマ60%・マケイン30%
・どちらに好感を持ったか:オバマ65%・マケイン28%
ダブルスコアに近い大差がついている。まあ、CNNの視聴者層が全米の有権者層と同じ構成ではないと思うので、これがこのまま有権者の意見を正確に反映するわけではないものの、今日のディベートは勝負あった感じ。

CNNのコメンテーターも「アメリカ経済がこの状態で選挙まであと20日ほど。それで20ポイント以上の差がついたらゲームオーバーだ」とコメントしている。

先週末からマケイン陣営のテレビCMはオバマ批判のネガティブキャンペーンをさらに強めていて、副大統領候補のサラ・ペイリンオバマのことを「ドメスティック・テロリスト」とまで呼んでいる。ネガティブキャンペーンはやりすぎたら絶対に逆効果だと思うが、その逆効果の影響もあるのかも。

ディベートは来週あと1回。マケイン陣営がここで流れが変えられるか、このままオバマ有利で推移するのか、経済動向と会わせてまだまだ目が離せない。