速報:Presidential Debate

9月26日(金)今夜、オバマ対マケインの大統領選ディベートが行われました。1時間ほど前に終わったばかり。速報レポートをお届けします。

大統領候補同士のディベートは、1960年のケネディニクソンからテレビ放映されているそうですが、過去最も視聴率の高かったディベートは、1980年のカーター対レーガンで、8000万人が見たそうです。有権者の36%にあたる数字だったとか。第一期を終わって人気がなかったカーター大統領に対抗してハリウッド俳優のレーガンが大統領候補になったのですから、国民の関心は高かったのでしょう。

今回のオバマ対マケインは、その数字を上回る視聴率が予想され、9000万人が見るだろうと言われています。
直前に、金融危機に国家予算を7000億ドル支出する法案が議会の反対にあって頓挫しそうになり、緊急の大統領の演説が行われ、ホワイトハウスの対策会議に議会の代表とともに二人の大統領候補が呼ばれるという緊迫した会議の翌日。しかも、マケイン候補のほうは国家の緊急事態だからディベートは延期しようと呼びかけ、これに対してオバマ候補は国家の緊急事態だからこそ、次期大統領候補がどんな政策を持っているか国民にきちんと説明する必要があるから延期はできないと応じて、ようやく開催にこぎつけたディベートです。

東部時間夜9時(西海岸の午後6時)に始まったディベートは、ABC、NBCCBS、FOX、CNNと、4大ネットとCNNがそろって中継(これなら視聴率が高くなるはずだ)。CNNは数時間前からディベートまであと何時間何分何秒とカウントダウンのテロップを出し、視聴者代表を各地に集めてリアルタイムの満足度を測定し、さらに6人のコメンテーターが進行につれて両候補にプラス点、マイナス点をつけて、それを一覧表示するという凝った作りの番組でした。

経済・外交(アフガニスタン、イラン、ロシア、パキスタン)、安全保障、エネルギーなどなど司会者がテーマを上げて、まずそれぞれ2分ずつ政策を語る。その後に互いの政策について論争する方式で90分。コマーシャルは一切なしで番組が進行しました。

我が家はコメンテーターのポイントがリアルタイムに動いていくのが興味深くてCNNを見ていました。特徴的だったのが、マケインは何度も何度も「オバマ議員は間違っている。私は自分の経験でよく分かっている」など昔話を語り、そのたびにコメンテーターたちのポイントにマイナスが増える。逆にオバマは「マケイン議員の言うことは正しい。しかし問題は別のところにある」などと論点を整理しながら新しい視点で政策を語ると、オバマのほうにプラスのポイントが入る、という感じで展開。
経験のマケイン、Changeのオバマとその対比はくっきりしたディベートでしたが、どちらかが相手を論破するような場面はなく、まあ若干オバマ優勢のうちに終わったかな、という感じでした。直後のCNNの視聴者調査では52%対38%でオバマ優勢という結果が出たようです。

来週の木曜日に副大統領のディベートがあります。上院外交委員会が長く交渉に長けたオバマ陣営の副大統領候補ジョー・バイデンと、国政の経験なしアラスカ州知事2年目のサラ・ペイリンがどんな論戦を繰り広げるのか(論戦にならないのか)今日とは違った意味で興味津々なディベートになりそうです。