ハリケーンと共和党大会&一時帰国します

9月1日(月)アメリカはLabour Day 祝日。夏休み最後の日で三連休でした。翌9月2日は、日本の4月1日と同じ新年度の初日。Back to work, Back to schoolです。 この連休と新年度の始まりは、サラ・ペイリン・ショックとハリケーン・グスタフで明け暮れた感じ。

成功裡に終わったオバマ民主党大会を受けて、同じように注目を浴びるべくサラ・ペイリンを副大統領候補に据えて華々しく開く予定だった共和党大会は、残念ながら、あるいは、幸いに、3年前にニューオリンズを破壊したハリケーン・カタリーナより強力なハリケーン・グスタフの接近に水を差されました。
まず、出席予定だったブッシュ大統領とチェイニー副大統領が早々と欠席を決めた。カタリーナの時に対策が後手に回ってさんざん叩かれたので、今回はハリケーン対策第一、早々にハリケーン接近中のテキサスに入った。 ブッシュとチェイニーの欠席は、実は共和党にとってはラッキー。現大統領として出席させないわけにいかないが、ブッシュ路線は踏襲しない方針を明確にして票を集めないとならないマケイン陣営としては、邪魔な存在だったわけ。

ところで話はそれますが、3年前のカタリーナの教訓から、今回のハリケーン対策は徹底していた。
3日くらい前から「避難勧告」が出て住民を避難させるバスが何百台も用意され、2日前には「避難指示」が出た。残る場合はすべて「自己責任=On Your Own」である。食糧も電気ガスも救急消防もセキュリティも、一切が「自己責任」なので承知しておくように。さらに住民避難後の町を守るのは軍と警察の仕事で、怪しい者には発砲することになるので、万一自宅に残る場合も決して外に出ないように、とほとんど脅迫のような強い「避難指示」だった。
実際、ハリケーンが直撃すると予想された地域の住民は95%くらい避難したらしい。200万人とも言われている。風雨の強いハリケーンで、一部で堤防が決壊して浸水した地域があり、まだ河川の水位は高いまま、相当広い地域で停電していて、避難指示解除はされていませんが、カタリーナの時のような被害は出ずに済みそうです。

そのグスタフに話題を奪われた共和党大会は、9月1日の初日は予定を大幅縮小して、簡単なオープニングのスピーチを、ブッシュに代わって夫人のローラ・ブッシュと、マケイン夫人のシンディ・マケインがならんで演台に立った。現大統領も副大統領も出ないとなると、この夫人ふたりが、今回の共和党大会では最も人気のあるタレントのような気がする。
9月4日まで、あと3日も続くのだけど最終日のマケインの受諾演説まで持つのかな、と思ってしまう。3日目のサラ・ペイリンのスピーチが今のところ注目の的。政治的注目というよりワイドショー的興味でしょうけど。

日本では福田首相の突然の辞任がビッグニュースですね。こちらでは、さすがにワシントンポスト紙はWorld面で福田首相の写真入りの記事がでましたが、CNNは、ハリケーン共和党大会の報道ばかりで、首相辞任のニュースは画面下部にいつも流れているテロップで、 Japan's unpopular prime minister announced to step down ...(日本の不人気の首相が辞任を発表した)という文字ニュースが流れただけでした。

明日から、法事やもろもろの事務処理などの用事を済ませに2週間ほど日本に一時帰国します。1週間くらいで戻ろうと思ったのですが、ちょうど9月11日にぶつかります。「911」にワシントンDC行きはセキュリティチェックに泣かされそう。なので9月中旬にアメリカに戻ります。共和党大会は見届けられないのですが、大統領選はまだまだ紆余曲折がありそうです。