史上最高視聴率を記録した党大会


その後に登場したのがアル・ゴア地球温暖化に警鐘を鳴らす「Inconvenient Truth」でノーベル平和賞をとったゴアさんは、クリントン大統領時代の副大統領で、8年前の大統領選挙でブッシュと戦い、総得票数ではゴアのほうが獲得票が多かったのに、アメリカの選挙制度のからくりで政権がブッシュに行ってしまった。そのアル・ゴアのスピーチもすごかった。
「8年前、どっちが大統領になろうが大差ないといった人たちがいた。今、どっちが大統領になっても大差ないと言える人がいるだろうか? もし8年前に違う結果になっていたら、イラクにつっこむことはなかっただろうし、ビンラディンを放っておくこともなかったはずだ。政治の失策で経済を混乱に陥れることもなかったはずだし、地球温暖化を否定することなく解決に向かって進んでいたはずだ。ブッシュ・チェイニー路線を継承するマケインを選ぶのか。我々は8年前と同じ選択に直面している。何も変わらない政治、また同じ政治でいいのか? 私はリサイクルを支持するが、このリサイクルはばかげている!」
やんややんやの大喝采のうちにアル・ゴアのスピーチが終わり、最後にオバマの受諾演説。32分のスピーチで重要とされている課題のすべてについて政策を語った。オバマスピーチについては日本でも数多くの報道があると思うので解説は省略しますが、心に残ったのは「changeはワシントンから来るのではなく(アメリカ国民から)ワシントンに行くのです」「この選挙は私のためのものではない。あなたの、アメリカ国民ひとりひとりのものなのです」「国を愛している点では、私もマケインもブッシュも同じだ。changeが必要なのは明らかなこと、みんなでアメリカを変えていこう」と、みんなの思いをかなえるために自分はここにいる、という余韻を残してスピーチを終えたこと。
直後の各地の街頭インタビューでは、「彼はあらゆる問題について準備ができていることを証明した」「ついにこの日が来たことに興奮している」など興奮気味に話す人が多かった。
最新のニュースによると、最終日の視聴率は北京オリンピックの開会式より、今年最高視聴率を記録したアメリカン・アイドルの最終回より高く、今年の最高視聴率を記録したそうだ。政治家が自分の言葉で政策や思いを語るのを国民が熱心に見ている。聞いている。語る方もそれに応えたスピーチをする。すごくうらやましい気がした。