訃報・白菜漬け・ヒラリー

日本から訃報が届いた。
私とそう年の変わらない友人が、全くの偶然ですが、今月同じ病気で二人も亡くなった。多発性骨腫瘍。一種の癌です。一人は大学のサークルの1年先輩。8月中旬に訃報が届いた。
もうひとりは、仕事のブレーンをしてもらっていた友人。私より若い。システム系のマネージメントが仕事になったときに、WEB社会のこと、オープンソースの考え方、いろいろな情報を詰め込んでもらった恩人。3年前に発症した後は、花や野菜を育てて自然に親しむことを闘病の支えにしていた。6月と7月を最後に更新が途絶えているブログが3つ残った。進行は遅いけれど非常に直りにくい病気なので長期戦ですと言っていたのだけれど、力尽きてしまった。本当に悔しい。残された闘病記ブログを読みながら、ご冥福を祈っています。
こういうとき、遠く離れていると辛いですね。葬儀に参列するのが何よりの弔意の表し方だと思うのですが、どうしうもないから、ちょっと落ち込む。

気を取り直して。
家人の会社の人が視察に来ていて明日は我が家でパーティ。そろそろステーキとハンバーガーに飽きてくると思うので、ご飯と味噌汁のおもてなし。白菜を見つけたので白菜漬けを作っています。ざく切りにした白菜をビニール袋に入れて、ニンジンの千切り、レモンの皮の細切り、日本から持ってきたフジッコの塩昆布を少々、ニンニクのスライスを一枚。袋に塩を加えて、よく振って混ぜる。あとは冷蔵庫で数時間。食べるときに水気を絞って煎りゴマを振りかけて。今日の白菜漬けはトライアルなので、今夜の私のおかず。これだけでご飯を食べてしまいそう。あと、ラディッシュの甘酢漬けもあります。

こちらは今週は、コロラド州デンバー民主党大会が真っ最中。1週間だらだらと大会が続くの。CNNやMSNBCなどニュース専門チャンネルはずっと中継している。月曜日にオバマ夫人のミシェルが出てきてスピーチをした。昨夜はヒラリー・クリントンが登場。すごかった。
まず、娘のチェルシーが出てきて「My Hero, My Motherを紹介します!」と言っただけで会場は大盛り上がり。ヒラリー本人が出てきた後5分くらい歓声でスピーチが始められなかった。ヒラリーは、「私は今日ここに、一人の母として、民主党員として、ニューヨーク州上院議員として、そして何より、バラク・オバマの支持者として誇りを持ってやってきました!」とスピーチを始める。
自分が政治に関わるようになってから35年間、アメリカの医療制度改革を目指してやってきたこと、遊説の途中で出会った、自分はガンになっているのに二人の子供を抱えて医療保険がないため治療も受けられず働き続けているシングルマザーの話(この話は何度も何度もこれまでのヒラリーの演説に出てくる)とか、ブッシュの経済政策の狭間で置き去りにされた人々の話をして、今この状況を変えられるのはオバマしかいない。私を支持してくれたみなさん、協力してオバマ大統領を実現させましょう、とスピーチ。20分近く話が続きましたが、原稿を見る訳でもなく、言葉に詰まることもなく、明快でエネルギッシュで、とても力強いスピーチでした。すごい説得力。
終わった後、CNNが党大会参加者にマイクを向けて感想を求めていましたが、もともとヒラリー支持だという黒人の若い女性は、泣きながら「今日のスピーチは、ヒラリーがアメリカ合衆国大統領に最もふさわしい人物であることを証明したスピーチだった。もちろん私は民主党員だからマケインに投票することはないけれど、オバマに投票するか棄権するか、今ここでは決められない」と興奮して話していた。ヒラリーが立派なスピーチをすればするほど、なぜ彼女が大統領になれないの?という思いを支持者が強くしている、ということなのよね。
今日は、ビル・クリントンが出てきて「Commander in Chief」つまり軍事責任者としてオバマの資質が十分であることをアピールする手はずになっている。副大統領候補のジョン・バイデンもスピーチの予定。そしていよいよ明日はバラク・オバマ本人の指名受諾演説。
日本で政治家のスピーチなんて聞きたいと思ったことは一度もなかったけれど、大統領選を見ているとヒラリーもオバマも本当に盛り上がるスピーチをする。けっこう楽しみに聞いています。