セレブリティほど売れるものはない

「有名人広告が大ブーム」という6月22日ニューヨークタイムズ日曜版のビジネスセクションの記事からレポートします。
日本はタレントが出演する広告が全体の半分くらいを占めるタレント広告大国ですが、アメリカは有名人の広告を信用しないと言われてきて(本当にその人がその商品を使っているとは思えない、信用できない、というのがこれまでの理由)、有名人の出演する広告は全体の10%以下だと言われてきた。それが、ここ十年ほどで変わってきたという。
※日本ではいわゆる有名人(俳優、歌手、芸人、スポーツ選手など)を総称すると「タレント」が使われることが多いと思いますが、アメリカでは「タレント」は芸人に近い語感。いわゆる有名人を総称する言葉は「セレブリティ」なので、以下「セレブリティ」でまとめます。
セレブリティをブランドの顔にして売上げを伸ばす事例が増えていて、セレブリティ広告の割合はほぼ倍増し、2004年は19%にまで増えているという(インドでは24%、台湾は45%もあるのだから、もっと増えてもおかしくない!_と記事はカッコ付き書いている)。
アメリカにはセレブリティの注目度を独自の方法で測定して提供しているデータベースがある。The Davie Brown Index(通称DBI)といって、数千人の有名人の注目度を1〜100の指数で示し、毎週データは更新されるそうですが、最新TOP5は、 1位 トム・ハンクス  2位 ウィル・スミス  3位 マイケル・ジョーダン  4位 モーガン・フリーマン  5位 ジョージ・クルーニー。大統領候補のバラク・オバマは9位、ジョン・マケイン25位だそうです。 記事が伝える日本でも知られたセレブリティの順位を拾ってみると、アンジェリーナ・ジョリー12位、ジェニファー・ロペス64位、ミック・ジャガー361位などなど。 (集計方法など詳しく知りたいと思ってサイトに行ってみましたが、契約しないと詳細にはアクセスできないデータベースで、サイトに契約の仕方すら説明されていない。多分ごくごく業界向けの高額なDBなのだと思います)
有名なセレブリティ広告の例をあげると、シャネルNo.5のニコール・キッドマン、ナイキのタイガー・ウッズなど。 7年前までは「香水の広告はキャリアの最後に(つまり落ち目になったら)出演するもの」というのが常識だった業界が、最近は、香水の広告に出るのはキステップアップの証と見られているそうだ。7年前、Cotyがジェニファー・ロペス(いかにもセレブリティらしく、記事の中で”JLo”と略されていた)を広告に登場させて大ヒット。それがきっかけでブリトニー・スピアーズ、ティム・マッグロー、セリーヌ・ディオンなどなど、大勢の女性セレブリティが相次いで香水の広告に登場するようになったとか。
広告に登場して「ブランドの顔」になることは「お金のため」と見られてイメージに傷がつくとセレブリティ側で嫌っていたのは過去の常識。消費者の意識も変わってスターの登場するCMを期待するようになっているし、セレブリティたちの抵抗感もなくなっているので、ますます華やかな広告が増えそうですね。