NYT・WP 6月15日日曜版:アメリカは夏休みモード

6月15日(日)ワシントンは晴れ。風が強くて気温は低め。ようやくHeat Waveが去り、過ごしやすくなってきた。ツレアイが出張でいないので、朝近くのスタバまで日曜版の新聞2紙とコーヒーとマフィンを買いにいく。ずっしり重い新聞とマフィンの袋を抱えて、片手にコーヒーを持って帰ってきて、アパートの入り口で鍵を取り出そうとしてコーヒーを少し床にこぼしてしまいました。
さてさて、ニューヨークタイムズワシントンポストの日曜版読み比べ。
ワシントンポストのトップセクションの一面トップは「バブル」の大見出し。2000年頃から始まったアメリカの住宅ブームがサブプライムローンが膨らんで弾ける過程を検証する大きな特集記事。収入も資産も仕事も明かさずに住宅購入資金が借りられた時期もあったと、その狂乱ぶりを伝えている。よく似た話、日本の「バブル」の頃にありましたよね。
一方ニューヨークタイムズはどちらかというと夏休みモード。トップ記事は「豊かになったロシアで海外旅行が大ブーム」という特集です。

夏休みといえば、アメリカでは先週末に学校が一斉に夏休みに入った。9月中旬まで約3ヶ月の夏休み。両紙ともトラベルセクションで今年の夏休みのお奨め旅行先を特集している。

ワシントンポストはロンドンを推薦。「何でいまさらロンドン? 航空運賃はもちろんロンドンは滞在費も高いじゃないか」とありがちな反論を先に載せた上で、お奨めは「ロンドンっ子のロンドン」。中心部の観光スポットを避けて周辺の地元民に人気のスポットなら滞在費は安く、ロンドンの別の顔を見つけられる、と続く。お奨めスポットは、ハムステッドHampstead、イズリントンIslington、ストークニュイントンStoke Newingtonなど。広大な緑地に隣接したハムステッドは東京で言うと二子玉川とか田園調布とか? イズリントンはアーティストの集まる町、代官山とか吉祥寺とか? とにかく、そんなロンドン地元民に人気のスポットを推薦しています。
一方、ニューヨークタイムズのお奨めはカリブ海の島々。アメリカ国内の人気リゾートは込みすぎだしヨーロッパは高い、というのがお奨めの理由。ジャマイカプエルトリコ、ドミニカなどカリブ海リゾートのハイシーズンは1月から3月で、冬に行く避寒地というのがこれまでの常識だそう。シーズンオフなので高級ホテルでも半額以下、航空運賃もハイシーズンより16%も安い。シカゴ発でプエルトリコのリゾートに5泊するパック料金の最安値は8万円くらいとか(安い!)。すいていて安くて快適だが、ハリケーンの季節という心配はちょっとはあるらしい。
とにかく諸物価高騰の折り、どうやってリーズナブルに夏休みを楽しむかが話題の焦点です。
ついでに両紙の特集で目についた記事を紹介すると

WPはビジネスセクションの「Hypermiling」。「燃費を稼ぐ運転方法」の特集。マンガで説明していますが、タイヤの空気圧を調整し、制限時速以下で運転し、アクセルをふかしすぎたりしないように靴を脱いで靴下で運転し、赤信号ではエンジンを切れとか...。クルマなしでは生活できない場所が多いアメリカでガソリン代高騰は本当に切実な問題になっています。
そしてNYTのスタイルセクション(文化欄)は「Green Noise」について。「ゴミを減らすためにリサイクルできるガラス瓶の牛乳を買っている主婦が、重いガラス瓶を返しに行ってまた持ってきて牛乳を流通させるより、捨てられる紙パックの牛乳の方がガソリンを使わず環境にやさしいのではないか、と友人に指摘されて混乱している」という話で始まって、遠くの産地で作られるオーガニック野菜と近くの農園の野菜はどちらが「グリーン」か、原子力エネルギーとバイオ燃料はどちらがエコなのか、など議論の分かれる問題を「グリーンノイズ」と名付けて伝えている。
環境意識が急速に広まっているアメリカでは、市民レベルでみんなが何とかしなくっちゃと思っているのですが、社会全体のシステムとか方針とかが出来上がっていないと思えてなりません。ゴミの分別はしないし、普通のガソリンよりなぜかディーゼルの方が高いし。これ本当なんです。ガソリンが1ガロン4ドルを超えたと大騒ぎですが、ディーゼルは1ガロン5ドル50セントくらいしています。

とにかく早く戦争を終わらせて環境問題を何とかしてほしいと、本当に、次の政権にアメリカ人は期待しているみたいです。一刻も早くブッシュの政権が終わってくれることを願っているって感じの人によく合います。さて、どうなりますかね。