アップルの新しいiPhoneに注目

6月11日(水)ワシントンポストのビジネス欄より注目記事を紹介します。記事の雰囲気を知っていただくために、長いのですが、拙い翻訳を:

TEC業界にはグッドニュース。ついに私も重い腰をあげて「スマートフォン」を買うことにした。もう何年も、Palm Pilot, BrackBerry, iPhoneなど(どれもスマートフォンと呼ばれる多機能携帯)のケータイ電話の魅力に抵抗し、いつでもどこでも誰とでもつながるという能力を持たずになんとかやってきた。驚くべきことに聞こえるだろうが、私はそれでも家族も友人も仕事も失わずにいるし、世の中で何が起きているか一般的な知識も持ち合わせている。
しかし、月曜日にアップルが発表したiPhoneには、この私でさえ抵抗を止める時期だと認めざるをえなくなった。ほんの数年の間に、洒落てはいるがお遊びに見えた機械が、ここまで安く使いやすく小さくなって信頼性が増し、こんなにも「all-in-one」になった。私の使い慣れたシステムと日課を見直すに十分足るものになった。なによりエレガントでクールだ。どうして抵抗できる?
私を降伏させたのはアップルだけではない。PalmNokiaSamsung、Research in Motion、GoogleMicrosoft、各社一斉に「スマートフォン2.0」に向かって新しいハードウエア、ソフトウエアを発表している。莫大な投資で大規模・高速の無線通信システムの構築を進めているAT&T、Sprint, Verizon, T-Mobileの通信各社も、古いビジネスモデルを打ち破ろうと必死だ。そして、ハリウッドのスタジオも、テレビのネットワーク局も、音楽配信社もwebポータルもサーチエンジンも、あるいはオンライン出版社も、これらのコンテンツをどうやって取り込んでいくか、その答えを模索していないところはひとつもない。
この動きは、自由競争の市場がどう働くべきかを示す素晴らしい事例だ。技術革新を進め、生産性を上げ、コストを下げ、新しい仕事を創りだし、利益を生んで、生活の質を上げていく。比較的短い期間のなかで競争にさらされると、独創性が生まれ、顧客に喜ばれる成果を達成できるというケーススタディである。そして、そのほとんどが、ここアメリカの個人と企業によって生み出されたものだ。
そこで、これを、最近のワシントンで何がどう動いているか、もっと正確に言うなら、何がどう動かないか、と比較してみてほしい。----
と、ここまでが記事の前半。このあと、ワシントンでぐちゃぐちゃやっていて結論がでない特許法改正案やらなにやらの話が続き、最後の締めとして、
「ワシントンが機能する活力を取り戻さないと、次の世代の次の新しいことは(アメリカではなく)どこか他のところで開発されるようになるだろう」と、国会は民間の活力を見習えと警鐘を鳴らして終わる。

この記事に注目したのは、ひとつには、長年のMacUserとして、こちらの携帯電話はiPhoneを買うつもりで1週間ほど前に調べたら一時的に発売が中止されていた。そしたらサンフランシスコで開催中のアップルの開発者会議で、半額になって高速・高機能になった新しいiPhoneが発表された。日本でもソフトバンクからついに発売になるそうですね。その関連記事だと思って読み始めたこと。
もうひとつは、一人称で書かれていて、ユーモアたっぷりでとても親しみやすいコラムだったこと。この記事を書いたのは、スティーブン・パールスタイン。ワシントンポストの経済・ビジネスのコラムニストで、今年のピューリツアー賞を受賞している。
コラムニストが一人称「I・私」を主語に書くコラムはこちらの新聞にはたくさんあって、概して読みやすくて面白い。こういう記事、日本の新聞にはあまり見ないなあ。あっても良いのにね。天声人語や春秋は筆者のひととなりが分かって読む方が親しめると思わない?
こちらのメディアに接していると、才能を発掘してスターに育てていく仕組みが社会のあちこちにちりばめられていることが分かる。競争社会のステップを上がって行かなくてはならないが、その過程で鍛えられ強くなり才能が磨かれる。この辺の話は、別の機会に詳しく紹介するつもりです。
ケータイ電話の件で言うと、日本ではいち早くメールやケータイサイトが普及し独自の発展を遂げましたが、これからはケータイ3社の戦いではなく、世界規模の開発競争に巻き込まれていく時代になるのでしょう。アップルの新iPhoneは7月11日発売。まだしばらくこちらの携帯電話は手に入らないみたいです。(日本から持ってきた携帯電話は、世界携帯なので、こちらでつながります)