On English:英語について

アメリカにきて1ヶ月たち、日記が貯まったのを機にこのブログを仕事でお世話になった方などにお知らせしたら、英語に関する質問をメールでいくつかいただきました。なので、今回は、英語について、です。

   Q:どうやって英語勉強したの? 

最初に英語が面白いと思ったのは、つきなみですがThe Beatles。ロックとポップスを聴き続けた学生時代が英語を親しいものにしてくれたのかも。大学の時に、お茶の水アテネフランセで(フランス語ではなく)英語の集中コースというのがあって、そこに通いました。多分ここで仕込まれたことが一番役に立っています。
週3回各3時間、宿題もあって大学の講義より大変でした。FENのラジオドラマを聞いてその筋書きを英語のレポートにして提出するとか、毎日ノート1ページ分の英語の日記を書いて提出するとか。たまたま参加したクラスのレベルがとても高くて、アテネフランセも私たちのために、それまではなかった最上級クラスというのを設定してくれて、英語の「速読」とか。政治をテーマにディスカッションするとか英会話の枠を飛び出た質の高い勉強をさせてもらいました。
今になって教育を受ける環境は大切だなと思います。私自身はさほど真面目な学生ではなかったけれど、一緒にいるだけで身につくものがありますよね。
大学(ちなみに大学の専攻は英語と関係なく社会学でした)を出た後に短期留学をする機会があってサンフランシスコ郊外バークレーで数ヶ月過ごしました。これはとても楽しい思い出。いい経験でした。
その後、原書の下読みのアルバイトとか翻訳の仕事を随分しました。ハーレクインロマンス、釣りの百科事典、文学作品も「複雑系」の論文も!!。ありとあらゆるジャンルの翻訳をして雑学を身につけたと思う。それと某ニュース週刊誌の日本版の編集を創刊から3年間手伝いました。
この仕事でアメリカの大統領選の仕組みとかアメリカ政府の省庁の名前とか、この国を理解するのに必要な基礎をずいぶん覚えた。NW編集部のみなさん、お世話になりました。
こうした経験、なにからなにまで、ものすごく役に立っています。ついでに、新しいことは何でも面白いと思ってしまう楽天的で脳天気な性格が奏功しているかもね。

   Q:英語漬けで疲れない? 
   Q:日本語と英語では脳の違うところが動いている?

もちろん疲れます。くたくたです。知恵熱がでるくらいですから。
英語と英語がらみの仕事はつかず離れず続けてきたので、読むことにはほとんど抵抗がないのですが、耳と口はなかなか慣れない。今回こちらにきて、もちろん言葉もなかなか出てこないのですが、耳がついていかないのに苦労しました。
最初は、相手のしゃべるセンテンスの出だしを捉えそこねると、英語に聞こえないんですよね。「それ、ほんとうに英語?」って感じ。とにかく耳を慣らさないと、と思ってテレビを見続けました。幸いアメリカのテレビって、インタビュー番組とか同じ番組の再放送をやる。1回目聞いて分からないことが2回目で分かるようになり、英語独特のリズムが1ヶ月たってようやく少し体に染み込んだ感じです。もちろん、いまでもついて行けないことしょっちゅうだし、理解が一瞬あとからやってくる、ということも多いです。
先日もお店のレジで、Your Zip Code? と聞かれて(その店は郵便番号を聞いて顧客の分布を調べていたらしいのです)一瞬なんだか分からず口ごもったあとで「ZIP CODE!!」と頭の中で電気がともった感じ(Aha!体験ですね)になって、答えられたということがありました。
すぐに理解ができなかったコンマ何秒か、脳のなかで日本語の時とは違うことが起こっているのでしょうね。理解の回路が日本語と英語では違うのではないかと思います。
しゃべる方で言うと「Thank You」はいくらでも言えますが、逆にThank Youと言われたときの「You're welcome」が自然に口をついて出るようになるには、まだ時間がかかりそう。何も考えずに反応できるようには、絶対にならないと思うのが、notが入っている質問への答え方。
「You're not American, are you?」と聞かれたら、「Yes, I'm not American」と答えたくなるのが日本人じゃない? 
こう答えたら「訳が分からない」という顔されます。ここで、出だしに「No」が自然に言えるようになったらNative級なのだと思いますが、無意識に出来ることは絶対にないんじゃないかと思っています。

という訳で英語漬けは疲れますけど、苦痛ではない。毎日Aha!体験があって脳はすごく活性化されていると思う。DSで脳トレやるより、外国暮らしがお勧めかも。