追悼記事から

こちらの新聞のStylesというセクション(日本でいうと文化欄ですかね-)で、二日続けて大きな追悼記事がトップになっていました。
昨日6月2日はイブ・サンローラン。本日6月3日はボ・ディドリー。

イブ・サンローランはもちろんフランスのファッションデザイナー。クリスチャン・ディオールの後継者としてディオールブランドのデザイナーを務めた後、独立して自分のブランドを立ち上げてからは、さまざまな革命的なことをした。 フランスのデザイナーが作るものとはオートクチュール(金持ちだけが利用できる顧客に合わせて仕立てる服)のことだったのが、pret-a-porter(プレタポルテ=既製服:英語ではready-to-wear)を初めて作ったのがサンローラン。 今ではビジネスでもパーティでも、アカデミー賞の授賞式ですら不思議ではない女性のパンツスーツやタキシードを、初めて女性向けにデザインして発表したのが彼。ピーコートやサファリジャケットもサンローランが広めたもの。などなど、経歴と業績が1ページ半くらいにわたって紹介されていた。

本日の追悼記事、ボ・ディドリーBo Diddely さんは日本では知られていないでしょうね。「ロックのおじいちゃん」という見出しになっていた新聞もありましたが。1950年代にチャック・ベリーなどとともにロックンロールを始めた人です。 「ジャン・ジャジャンジャン・ジャンジャン!」これを「・」のところはひと呼吸おいて口に出して読んでもらうと多分ボ・ディドリーのリズム(文字で伝えるのは無理かな)。ロックンロールのとても原始的なリズムで、この人の名前をとって「ボ・ディドリー・ビート」と呼ばれたりします。大ヒット曲がないので、マニアしか知らないかもしれない。
私は中学時代以来のロックンロール派なので、5年くらい前に70歳を超えていたと思いますけど、現役で来日して、横浜の赤煉瓦倉庫にあるブルーノートでライブがあったので見に行った。ご本人もお年でしたけど、まわりを固めるミュージシャンがみんな高齢で、ギターやコーラスに元気のいいおばあちゃんが2・3人入っていてカッコよかった。(ああいうおばあちゃんになるのを目標としています)

どちらの追悼記事も、内容が濃くて故人の業績をきちんと評価して、こういうところはアメリカの新聞のいいところですね。ワシントンポストみたいな新聞でも、お高くとまらず、かなりミーハーな話題でもスペースをさいて取り上げる。ちょっとはしゃぎすぎ?と思える記事もあるけどね。