facebook

チュニジアで、エジプトで、バーレーンで、People Powerが国を動かしている。何万人もの人を集めるのにfacebookが使われているというので、各局のニュースが「facebookとは何か」解説している。本屋に行ったら経済誌が軒並みFacebook特集だった。

去年ワシントンに大雪が降って学校も役所も企業も休みで、地下鉄もバスも動かなくなったときに、facebookのなかに "Official Snowball Fights" ページが出来て、ワシントンの中心地の広場で雪合戦を呼びかけたら5000人も集まったというエピソードがある。雪に降り込められて退屈していた人が大勢集まって大雪合戦大会。通常番組を飛ばして大雪情報を伝えていたテレビ局は、この雪合戦を延々と中継した。知らない同士が大勢集まっての雪合戦に興じて、誰もが上機嫌だった。 facebook恐るべし、と思ったのはこのときが最初。

映画「Social Network」は、アメリカで昨年10月に公開された直後に見たけれど、まあ面白かった。身近にいたらマーク・ザッカーバーグはきっと嫌な奴だろうなと思った。当時、facebookの会員は世界に5億人と言われていた。最近のニュースでは6億人。半年足らずで1億人が新たにアカウントを持ったことになる。6億人といえば世界人口の10人に1人(中国ではfacebookはアクセス不可なので「6億人」に人口13億の中国人は含まれない)。人民を愚かに保ちたい為政者には、確かに脅威だ。

数日前に高校の同級生とfacebook friendになった。彼は最近、映画「Social Network」を見て、facebookをやってみる気になったらしい。久しぶりに自分のfacebookページを開いたら、friend requestが入っていた。実名で顔写真つきのプロフィールで登録されているので本人が確認できて、即OKでお友達登録した。

私のfacebookは、数年前に始まった。アメリカの多忙な友人たちから、忙しいのでこまめなメールは出せないけど、facebookで常に近況は更新しているから、facebookでつながりましょう、みたいなお誘いがあって、アカウントを作った。アメリカで多忙な友人を持つと、facebookにアカウントがないと、おつきあいが出来ない感じだった。私自身は、さほど活発なユーザーではない。プロフィールは名前(アルファベットで)と性別と既婚であることくらいしか公開していないし、顔写真の代わりに花の写真をおいてある。

そんなこともあって、友人の数はそう多くはない。ただ、世界に散らばっている。国務省で働く友人は出張の様子や息子の成長の記録を更新してくれる。アメリカで友達になったけれど、現在は台湾に移住してしまった友人(アメリカ人)は、台湾で見つけた面白いものの写真をたびたびアップしてくれる。たまに同じ時間にアクセスしていると、チャットに誘われたりもするーー英語でのチャットは疲れる。あちらはネイティブだから気楽なものだけど。

同じくアメリカで友人になったニュージーランド人のご夫妻は、facebookの話などしたこともなかったのに、赴任を終えて帰国した後に、ある日私を見つけてrequestが届いた。つい最近は、ニュージーランド大自然をトレッキング旅行に行った写真があがって、この寒い季節に...と思いかけて、そうだ、南半球のニュージーランドはいま夏休みシーズンなんだと気づいた。

そんな世界各地に散らばる友人が更新してくる近況を見られることが楽しい。私自身はあまり情報を更新していない。たまに「日本のいま」が分かるような写真を撮るとアップするくらい。なんだか、国を超えてやりとりする年賀状やクリスマスカードに似ていなくもない。

あとは、話題になったゲームをやってみたり、いくつかのテレビ番組や企業のFanになったり。例えばコカ・コーラfacebookページは、コカ・コーラ社ではなくて、ファングループに運営を任せていて、ちょっと面白い。世界の2200万人以上がこのページでつながっている。

世界とつながっている感覚、facebookはそこが面白いものだと私は思う。