facebook その2

質問が届いているのでfacebook その2
私も使い込んでいるユーザーでは決してないので、説明できるのは自分がやっていることだけですが。

≫≫ゲームの話
他のSNSにもゲームがあるように、facebookにもゲームがたくさんあります。私は、2000万人ものアクティブユーザーがいてブームになっていると 昨年の夏にNew York Timesなどいくつものメディアが大きく取り上げたZyngaという会社が運営するFarmvilleを試してみた。

この手のゲームは基本は一緒だと思いますが、自分の土地を耕して作物を育て、実ったら収穫して、その繰り返し。やっていくとレベルが上がって植えられる作物の種類が増え、買える木や動物や建物が増えていく。facebookに同じゲームをやっている友達がいれば、Giftを送ったり送られたり、情報をシェアするためにコメントしたり、何かするたびにポイントが増えてレベルが上がって、画面に映る自分の土地が整っていく。

 手数だけでは手に入らないものもあって、実際にお金を払ってポイントを買って自分の農園を整備する人も多いとか、ヴァーチャルじゃなくて育てた野菜を実物で受け取れるサービスを始めるとか、ゲームの域を超えてビジネスになっていくという話もありますが、まあ、しばらくつきあっていると飽きます。ただ、放っておくと畑が荒れるので(枯れた作物が表示されたりして)、時間があるときに細々と続けている。時間があって、興味があったらお試しください。

≫≫fanpageの話
コカコーラのfanpageは、由来を映像で見られるようになっていますが、大抵の企業のfanpageが企業側が作って運営しているのに対し、ただのコカコーラファンが勝手に作って運営していたものをコカコーラが正式に認めて公式ページとして運営を任せてしまったというもの。2300万人のファンがついている世界最大のfanpageと言われています。ファンが投稿した出来のいい写真がたくさんアップされていて楽しめます。Coca Cola, facebookgoogleすれば見られます。

fanpageは、facebookから探すより普通のホームページについている「f」マークのボタンを押してfacebookに飛び、気に入ったら「like」(日本語サイトでは「いいね」)をクリックする。データが更新されると自分のニュースページに現れるというわけ。twitterでフォローするのと同じ感覚です。アメリカのサイトにはfacebooktwitterのボタンは、ほぼもれなくついている。

私は、facebooktwitterも、iPadのflipboardというアプリで見ている。オリジナルのfacebooktwitterより見やすく手軽なので。iPadでいちばん便利に使っているアプリが、多分flipboardです。

ウチの主人は年に何度か集まる国際会議で一緒に仕事をするメンバーが、facebookのなかに交流サイトを作っているので、facebookは純粋にビジネスユースだそうです。情報をシェアするのに一番早いのだとか。中東での動乱を機に、主人のところにも、最近facebookアカウントを作った人からrequestが増えているらしい。

私は、mixiありfacebookありtwitterもあって(何もしてないけどGreeにもつきあいアカウントがある)、ゲームもあってニュースサイトもあって、それも日本語サイトに英語サイトーー情報の多さにヘキエキする日もありますが、世界とつながる感覚は悪くない。面白いと思えるうちは、つきあってみよう、くらいの軽いノリで続けていくつもりでいます。

あまり質問の答えになっていないし、お役に立てませんが...

facebook

チュニジアで、エジプトで、バーレーンで、People Powerが国を動かしている。何万人もの人を集めるのにfacebookが使われているというので、各局のニュースが「facebookとは何か」解説している。本屋に行ったら経済誌が軒並みFacebook特集だった。

去年ワシントンに大雪が降って学校も役所も企業も休みで、地下鉄もバスも動かなくなったときに、facebookのなかに "Official Snowball Fights" ページが出来て、ワシントンの中心地の広場で雪合戦を呼びかけたら5000人も集まったというエピソードがある。雪に降り込められて退屈していた人が大勢集まって大雪合戦大会。通常番組を飛ばして大雪情報を伝えていたテレビ局は、この雪合戦を延々と中継した。知らない同士が大勢集まっての雪合戦に興じて、誰もが上機嫌だった。 facebook恐るべし、と思ったのはこのときが最初。

映画「Social Network」は、アメリカで昨年10月に公開された直後に見たけれど、まあ面白かった。身近にいたらマーク・ザッカーバーグはきっと嫌な奴だろうなと思った。当時、facebookの会員は世界に5億人と言われていた。最近のニュースでは6億人。半年足らずで1億人が新たにアカウントを持ったことになる。6億人といえば世界人口の10人に1人(中国ではfacebookはアクセス不可なので「6億人」に人口13億の中国人は含まれない)。人民を愚かに保ちたい為政者には、確かに脅威だ。

数日前に高校の同級生とfacebook friendになった。彼は最近、映画「Social Network」を見て、facebookをやってみる気になったらしい。久しぶりに自分のfacebookページを開いたら、friend requestが入っていた。実名で顔写真つきのプロフィールで登録されているので本人が確認できて、即OKでお友達登録した。

私のfacebookは、数年前に始まった。アメリカの多忙な友人たちから、忙しいのでこまめなメールは出せないけど、facebookで常に近況は更新しているから、facebookでつながりましょう、みたいなお誘いがあって、アカウントを作った。アメリカで多忙な友人を持つと、facebookにアカウントがないと、おつきあいが出来ない感じだった。私自身は、さほど活発なユーザーではない。プロフィールは名前(アルファベットで)と性別と既婚であることくらいしか公開していないし、顔写真の代わりに花の写真をおいてある。

そんなこともあって、友人の数はそう多くはない。ただ、世界に散らばっている。国務省で働く友人は出張の様子や息子の成長の記録を更新してくれる。アメリカで友達になったけれど、現在は台湾に移住してしまった友人(アメリカ人)は、台湾で見つけた面白いものの写真をたびたびアップしてくれる。たまに同じ時間にアクセスしていると、チャットに誘われたりもするーー英語でのチャットは疲れる。あちらはネイティブだから気楽なものだけど。

同じくアメリカで友人になったニュージーランド人のご夫妻は、facebookの話などしたこともなかったのに、赴任を終えて帰国した後に、ある日私を見つけてrequestが届いた。つい最近は、ニュージーランド大自然をトレッキング旅行に行った写真があがって、この寒い季節に...と思いかけて、そうだ、南半球のニュージーランドはいま夏休みシーズンなんだと気づいた。

そんな世界各地に散らばる友人が更新してくる近況を見られることが楽しい。私自身はあまり情報を更新していない。たまに「日本のいま」が分かるような写真を撮るとアップするくらい。なんだか、国を超えてやりとりする年賀状やクリスマスカードに似ていなくもない。

あとは、話題になったゲームをやってみたり、いくつかのテレビ番組や企業のFanになったり。例えばコカ・コーラfacebookページは、コカ・コーラ社ではなくて、ファングループに運営を任せていて、ちょっと面白い。世界の2200万人以上がこのページでつながっている。

世界とつながっている感覚、facebookはそこが面白いものだと私は思う。

船便到着 124個の段ボール

Mac5102011-02-03

先週、アメリカから帰国前に船便で送り出しておいた荷物がついに届いた。大小の段ボール124個! とても自宅では収容しきれないので、最初からトランクルームのXLサイズという10畳ほどの部屋を借りて、そこに運び込んでもらった。以来、仕事のない日は連日トランクルーム通いをしてます。

「おまかせパック」で梱包を業者にやってもらったので、リストにだいたいの記載はあるものの、どこに何が入っているか開けてみないと分からない。その上、海外引越なので、梱包はとても厳重。例えば食器。直径5センチ足らずの小皿が、一辺20センチはあろうかという大きな包みに育っていたりするーー何が出てくるか、開けてびっくりです。

箱を開けて、自宅に持ち帰って使いたいものと、当面使わないものを分別。当面使わないものは梱包をスリムに詰め替えて、最終的には小さなトランクルームスペースに納めるのが目標。

前にも書いたが、今の自宅はアメリカ赴任が決まってから留守宅にするために戸建ての家から引っ越したマンション。暮らし方が決まらないうちにアメリカに渡ってしまったので、自宅の荷物も整理しつつ、納める場所をあちこち移動しながら、さらにはるばる届いた荷物と共存させる。毎日毎日、ものの置き場所が変わっていく感じで、まだまだ落ち着かない。

ひとつ、ようやく落ち着き場所が決まったのが、アメリカで使っていた机。といっても、IKEAアメリカでは「アイケア」と発音します)で天板15ドル、脚1本5ドル×4本で20ドル、計35ドルでパーツを自分でセットアップした実に簡素なものながら、それまでパソコンに向かうのも書類を広げるのも、居間やダイニングのテーブルを使っていた流浪の民がようやく定位置を確保できた。押し入れ前のスペースにちんまり収まってくれた机は、数日でもう書類が山積みになっている。ちょっと片付けて、写真をとってみた。

そうそう、1月から週に2〜3日、元の会社に復帰して仕事をしています。毎日でないので家でも仕事をする時間が増え、MacBookを持って通勤してみたけれど、重くてかさばるし、帰りにスーパーに寄る気が失せるので、ついに一番小さいMacBook Airを買ってしまいました。

去年はiPadも買ったのに、これじゃスティーブ・ジョブスの戦略にしてやられた感じじゃないと思いつつ、iPadで仕事は出来ないし(Adobe系のソフトが必須なので)、MacBookは重いし。だいたい3年前アメリカに行く直前に発売された初代のMacBook Airを買おうか本気で悩んで、あの時は見送ったのだけど、最新機種はスペックが2倍、値段が3分の1。11インチのMacBook Airは画面は思ったより大きくて仕事でも充分。何より軽いし、ハードディスクを積んでいないので、持ち歩きの負担が本当に減った。立ち上がるのに要する時間、わずか10秒足らずです。

そんなわけで、仕事をする環境が劇的に改善されたので、ブログの更新も頑張ろう、とは思うのだけど......

電話セールス 日米比較

月から仕事復帰して、週に2〜3日はオフィスに行くのだが、家で仕事をする時間も多い。日本風のフルタイムジョブではなくて、仕事の内容によっては家で仕事するTele-commutingは、なかなか快適だ。まあ、まだアメリカからの引越の後片付けがだらだらと続いているので、仕事も生活も「とりあえず」な感じではあるのですが。

家にいると、いろんなセールスの電話がかかってくる。あやしげな投資話だったり通販の化粧品だったり、不動産や保険だったり。久しぶりに通っているオフィスでも、総務の女性たちが、頻繁に社長や役員あてにかかってくるセールス電話の対応に時間をとられている。以前は、私もオフィスでこうした電話対応をする立場だった頃がある。

会社あてにかかってくるのは、不動産、電話&通信、投資あたりが多かった。電話セールスのために雇われて電話をしてくる、あまり社会経験のなさそうな相手は、決して話をして気持ちのよい相手ではないことが多く、後味の悪い思いをすることも多々あった。私の知る限り、セールス電話から取引が始まったことはなく、電話をかける側も、受ける側も、その時間は仕事の効率に何の貢献もしない無駄な時間だ。

アメリカに行ってから、自宅にかかってくるセールス電話は、ちょっと楽しみな時間になった。以前に書いたことがあると思うが、アメリカのセールス電話は、日本とはシステムが違う。かかってきた電話をとって「Hello」とか「Yes」とか何か声を発すると、録音されたセールストークがしゃべり出す。「Hi, I’m John!! Today, I have a good news for you...」なんて感じ。

セールストークの内容はさまざま。担当者が自分で内容を考えて自ら録音して、自動的に電話をかけるマシンにセットしてあるらしい。トークは人それぞれで個性豊かだし、きれいなネイティブの英語が聞けることもあれば、訛りの強い非ネイティブ英語のことも多い。

アメリカに行った当時は、2009年のテレビ放送完全デジタル化に向けてケーブルテレビ会社など多チャンネル放送サービスのセールスがひっきりなしだった。「いまなら月30ドルで150チャンネルが見られます。さらに、いま契約すれば最新の液晶テレビを3台無料でついてきます!!」なんていう眉唾な話もあった。あと、リーマンショックの直後でクレジットカードの支払が破綻する事件が相次いでいた頃に「あなたのクレジットカード支払を圧縮できます」なんていう怪しげな融資話も多かった。

録音されたセールストークなので、ただ聞いていればいい。特に忙しくなければリスニングの勉強のつもりで最後までつきあっていた。録音されたセールストークの最後は「もっと詳しいことはダイヤル1を押してください。マネージャーがお話しします。この電話が必要ないなら、ダイヤル9を押して下さい」などの説明で終わる。(ダイヤル9を押すと、そこからはもうかかってこなくなる)

本当に興味のある人なら「1」を押してマネージャーと話をするだろう。興味がなければ電話を切るわけだが、相手は録音テープなのだから受け側にあまり悪感情は残らない。セールス担当はトークを録音して機械にセットすれば、あとは他の仕事をしていられる。仕事の効率としては、悪くない。

一方、生身の人間が電話をしてくる日本の場合、詳しい話を聞きたいと言ってくれる人が100人に1人いたとして(良くてもそんな確率だろうと思う)、1件電話するのに5分、1日で100件電話するのは難しい。えんえんと電話をかけ続け、断られ続けて一日。消耗するだろうな。何とか断って電話を切るために言葉を選ぶ受け側も、余計な時間と神経を使うし嫌な気分が残る。押し売りのようなイメージが定着した生身の電話セールスの「生産性」は、一体いかほどのものかと思ってしまう。

だいたいアメリカでは、自分の電話番号を登録しておくとセールス電話がかかってこなくなるシステムもある。「Do Not Call Registory」という政府が運営するサービスで、登録後31日以上たってもセールス電話がかかってくるようだったら、同じサイトに苦情申し立てのフォームも用意されている。この制度は、ぜひぜひ日本でも実現してほしいものだ。

かつて私が仕事をしていて最悪だったセールス電話は「ご用件は?」と聞いても「社長さんか男性の社員の方に代わって下さい」という電話。「なぜ男性でないといけないの?」と聞くと「そうするように言われてますから」という返事。「そういう会社とおつきあいする気はないので、ご用件を聞いても無駄ですからけっこうです」と断りました。それでも、その後も同じ内容でかかってきていました。まだそういうことやってる会社、あるのかなあ...

プチ浦島太郎な日々

(ホントに遅ればせながら)
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく。

アメリカ生活を引き払って東京に戻ってはや1ヶ月以上が立ちました。まだ何というか、日本とアメリカの中間のどこかにふわっと浮いているような感じ。

クリスマスには義兄の家で、日本風に手作りのローストチキンを食べるクリスマスディナーを楽しみました。アメリカにいるときに友人から「日本人はクリスマスにみ〜んなチキンを食べるって本当!?」と珍しそうに真顔で聞かれたことを思い出した。そういえば、クリスマスにチキンを食べる習慣は日本だけ。ヨーロッパの一部やアメリカでターキーを食べる習慣が、ターキーがチキンに代わって定着したんだと思います。ときどき日本とよく似た風習があるお隣・韓国も、別にクリスマスにチキンは食べないと言っていたし。でも、多くの日本人は「クリスマスにチキン」は、世界中で行われている風習だと思っていたりするんじゃなかろうか。

晦日は久々に真面目に紅白を見てしまった。大勢だせばいいってモンじゃないだろうと、ちょっと思いましたけど。元旦は墓参りに行き、買ってきたおせちを食べ(アメリカでは全部手作りだったけど、簡単においしそうなものが買えちゃうからね)、だらだら続く代わり映えのしないお笑い番組を避けて天皇杯決勝や高校サッカー箱根駅伝などスポーツ番組を見て過ごし...

そんな正月ボケも手伝っていたかもしれないけれど、「お年玉」という習慣が頭からすっかり抜け落ちていた。私の兄弟とその家族が集まる新年会にいくため、アメリカみやげなど用意して家を出ようとした直前、「お年玉!」と急に思い出し、あわててポチ袋を探し出し、金庫からピン札を見つけて事なきを得たけれど、こういうちょっとしたことが抜け落ちる、ということが時々起きる。日本を留守にしたのは3年足らずなのに。

おかしなもので、クルマに乗っているとキロ表示の時速を頭の中でマイル表示に換算していたり、摂氏の気温を華氏に計算しなおしたりしている。無意識にやっていることなのだが、アメリカにいるときマイル→キロ、華氏→摂氏と計算するクセがついて、そのクセが抜けないということなのだろう。計算したところで今や何の役にも立たないのにね。

1月5日から、元の会社で少しずつ仕事を始めています。3年ぶりの通勤ラッシュ、電車が混んでいることより、皮膚の色、髪の色、体型が同じ人たちばかりなことに、妙な違和感というか圧迫感を感じます。やっぱり日本は特殊な社会なんだとあらためて思う。

Re-entry shockと言うのだそうだが、我ながら興味深いプチ浦島太郎な経験。もうしばらく続きそうです。

紙を処分する!

(前回も書いたとおり)アメリカ赴任する前に、戸建ての家から少し手狭なマンションに引越をした。当時、私も主人も仕事が忙しくて、荷物の整理をするヒマもなく、移転先のマンションに入りきらない荷物はトランクルームに詰め込んでしまった。

私の仕事はシステム開発のマネージメントだったので紙の書類は少なく、ハードディスク数個に収まる程度の量で済んでいたが、主人は何というか「会議に出るのが仕事」みたいな人で、会議のたびに大量の資料を受け取り、その整理もつかないままに次の会議、次のプロジェクトと駆り出され、さらに職場に資料をおくスペースがないので、2週間に1度くらいの頻度で資料のつまった紙袋を両手にぶら下げて帰ってきて、廊下の隅だの階段の踊り場に積み上げられていった。

引越の際、そうした紙の山が業者の手で段ボールに治められ、そのままトランクルームに移動し、アメリカに赴任した後もそのまま放置され、毎月安くない保管料を払い続けてきた。

東京生活リスタートに際して、アメリカから船便が届く前に放置されてきた紙の山を整理しようと、連日トランクルーム通いをしている。24時間出し入れ自由ではないが空調完備で古い書籍などは家より保存状態がいいので長年利用しているトランクルームは、事情を話したら荷物整理用に開いている部屋に椅子とテーブルを用意してくれて、処分したい荷物はそこにまとめておけば、後で業者を呼んで処分してくれるという(ゴミ処分はもちろん有料だが)。ありがたい申し出。よろこんでお世話になる。

そんなわけで20年以上もかけてチリと積もった紙の山と格闘する日々。1週間ほど通って書類の山はほぼメドがついたが、あとは段ボールに詰め込まれた大量の書籍が残っている。夫婦揃って本を買い込むのが趣味のような我が家、前に済んでいた戸建ての家は、本の重みで2階の床が少し傾いたほど。同じ本をそれぞれに買ってきて2冊ずつある本もけっこうある。買ったことを忘れていて一人で2冊買った本もそこそこある。二人で4冊買った本もある。

私のほうは「本を読むのが好き」なので、買った本はだいたい読む。主人は「本を所有するのが好き」なので、買うと安心して積ん読状態。だいたい「老後に読もうと思って」学生時代に買ったというプラトンアリストテレスなどの哲学系の全集もの、さらには手塚治虫全集ーー全部揃えば400巻だが、あるのは半分くらい? 途中で勝手に解約したと、主人はこの件だけは今でも亡き母をうらんでいる。

私だけでも本を減らそうと書籍大整理を始めた。処分対象は「1『2度と読まない』が読後感想の本」。次いで「2:読みたくなったら文庫で簡単に買える」ーーいわゆるベストセラーの類。さらに「3:いまや青空文庫で電子版がいつでも読める」古典の類。

学生時代に読んで黄ばんでしまった夏目漱石芥川龍之介はそっくりゴミに。さほど傷んでいない本は段ボールに詰めて、まずは2箱、文庫が多かったので計180冊、BOOK-OFFに送ってみた。Webで申し込んでヤマト運輸が取りに来て、数日後に査定結果が届く。たいして黄ばんでないと思っていたのに、半分近くが対象外、つまりBOOK-OFFでは売り物にならないらしい。予想はしていたが「二束三文」とはこのことね、という査定額。最初から全額を寄付してしまうつもりだったので腹も立たないけど。

アメリカを発つ前に、あちらに持ち込んでいた日本語の本や、向こうで買って読み返すことはないと思う本を30冊くらい、お世話になったアーリントン図書館に寄付してきた。アーリントン図書館には日本語の本のコーナーもあって、そのうちに私の本が並ぶかもしれない。また、年に2回、春と秋に寄付で集まった本のBook Saleが開かれる。ハードカバーが2ドル、ペイパーバックが1ドルで売られ、そうとう黄ばんだ本も表紙が少し欠けている本も売られる。このBook Saleで買って、読み終わったのでまた寄付してきたものもある。

そんなふうに、読み終わったら寄付して、また誰かが1ドルか2ドルで買って読んで、また寄付して...みたいに回っているかもしれない。大量の本が寄贈されてくるので、図書館にはその整理のためだけに大勢のボランティアが関わっていると聞いた。Book Saleの時期が近づくと郵便で案内が届くが、案内の最終ページはいつもボランティアの名前が100人近く列挙されていた。本を無駄にしないで安く共有するシステムが、そんなふうに作り上げられているんだと思って感心していた。

本の処分の仕方としては、BOOK-OFFよりアーリントン図書館の方が、本にも人にも優しい。日本で調べてみると、そんな風にやっている図書館はないみたいで、手間をかけずに処分するなら、やっぱりBOOK-OFFになってしまう。

BOOK-OFFに180冊、それと同じくらいの量をリサイクルゴミの日に出したのに、本箱に開きスペースが出来たようには見えない。まだまだ道遠し... クリスマスもお正月も遠い気がする。

東京生活リスタート

再び東京で生活を始めるための大仕事をしています。家を3年近く、ほとんど手入れもせずに放っておくといろんなことが起きる。

久しぶりに戻ってきた我が家は、まず、元栓を開けてもガスが出なかった。前回一時帰国したのが今年の1月下旬。その後約10ヶ月、元栓を閉めっぱなしにしていたせいで、ガスの圧力が低下して、元栓を開けてもガスが戻ってこない。前回帰ってきたときも同じことがあったので覚悟していたが、14時間フライトの末に、夜7時過ぎに家に辿り着いてお風呂にも入れないんじゃ悲しい。

でも、東京ガスは、偉い! こういう状況には24時間対応してくれるのだ。電話をしたら1時間ほどで担当者が来てくれてガスを復活してくれた。これでようやく、日本に帰ったときの最初の楽しみ、Japanese Hot Bathに入れる。

次に、電池の類。居間の壁面の時計が電池切れで止まっていた。さらに暖房を入れようとエアコンのリモコンのスイッチを入れようとしたら、これまた電池切れで液晶画面が真っ白。スイッチに反応してエアコン自体は動き出したものの、暖房が入ったのか、冷房が入ったのか、設定温度が何度なのか、まるで分からない。もの入れをゴソゴソ探して、どうやら買い置きの電池を発見。新品の電池に入れ替えて時計とリモコンがどうやら回復した。他にも、金庫のカギ部分も電池切れで焦ったが、電池を入れ替えたら暗証番号などの設定は生きていた。ひと安心。

帰国当日は、熱いお風呂に入り、コンビニで調達した夕食を食べて、ワシントンで目覚めた後に38時間も続いた長い長〜い一日を終えて早々に寝てしまった(といってもすでに東京時間の夜11時ごろだったけどね)。

翌朝、何とか生活を始められる準備をしようとキッチンの点検。調味料や少しばかり残しておいた日持ちのする食材も、ほぼすべてが日切れ。なにもかも、きれいさっぱりゴミに出して、買い出しに行く。何だかとっても新鮮な気分。以前フルタイムで仕事をしていたときには、いつ買い物ができるか分からないので、なんでもかんでも買いだめする習慣がついていて、いつも冷蔵庫・冷凍庫は満杯状態で、結果的に捨てるものも多かった。あの生活スタイルは卒業しようと思う。これからは、その時必要なものを必要なだけ買ってシンプルに暮らそう。

主人のアメリカ赴任の話が最初に出た2007年当時は、戸建ての家に住んでいた。借地に立っている家で、ちょうど借地権の更新時期が近づいていた。更新をして戸建ての家を留守宅にするのはセキュリティや管理のことを考えると気が進まず、思い切って手頃なマンションを探して引っ越しをした。主人ともども忙しい最中の引越で、全部業者にお任せで引っ越しをして、引越後に荷物の整理もできないまま、半年足らずでそこを留守宅にして渡米してしまった。

3年前に出来なかった引越後の荷物の整理を、船便でアメリカから送った荷物が届く1月中旬までに済ませてスペースを作らなくてはならない。これが一大プロジェクト。捨てられるものはどんどん捨てて、生活をシンプルにリセットしようと決心して、これから家財道具大整理プロジェクトを始めます。